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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

水鳥糞便採取調査

2011年12月26日
十和田
 12月に入ったと思ったら、気付けば今年ももう終わろうとしています。十和田湖は渡り鳥のピークを過ぎ、レギュラーメンバーの数も徐々に減っていっているところです。

 そんな十和田湖では鳥インフルエンザの早期発見のために、渡り鳥シーズンになると隔月で水鳥の糞便を採取しウイルス検査を行っています。

 水鳥の糞って見たことありますか?私はこの仕事に就く前まで見たことがありませんでした(探そうとも思いませんけどね)。彼らはわざわざ陸上でしなくても水に浮いたまましてしまえばいいのですから、糞を見かける機会すら少ないはずです。そういうわけで、十和田湖にちらほら見える水鳥の糞を探すのはそう簡単ではありません。鳥が安心して陸上で休み、かつ私たち人間も入りやすい場所でないと採取ができないのです。日々の巡視で水鳥が好む場所を把握し、当たりをつけて調査に向かいます。

 今回は候補地の一つにオオハクチョウが休憩していることが事前に確認できたので、高確率で新鮮な糞を手に入れることができると思いその場所へ。

 予想以上に多い16羽のオオハクチョウが陸上で休んでいました。



 そばに行かないと糞の確認も採取もできないので、休んでいるところ申し訳なかったのですがお邪魔して


 採取の様子(感染防止のため、マスクと手袋をしています)。

 竹串2本を箸のように使ってサンプル管へ入れていきます。1つの糞からひとかたまり、なるべく菌が生きていそうな内部を採ります。

 サンプル管1本につき糞を5個。場合によってはそれ以下ですが、サンプル管ごとに竹串を替えていきます。もちろん使用済みの竹串はしっかりアルコール消毒して廃棄用ジップロックへ。

 調査が終了したら長靴・手袋をアルコール消毒し、マスク・手袋は廃棄。さらに手指をアルコール消毒し靴を履き替えて外作業は終了です。事務所に戻ったら糞を研究機関へ送付し、どこで何の糞を何個採取したかを報告して終了となります。検査結果が出るまで少し時間がかかるのですが、陰性であることをいつも祈ります。次回は2月。今シーズン鳥インフルエンザ発生がないよう願います。