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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

道ばたの古巣

2011年11月17日
秋田
 寒い日が続きます。日暮れも早くなってきました。
 ここ数日、東北電力管内では夕方の電力使用ピーク時の予想使用量が供給可能量を上回っているとのことで近隣の電力会社から融通を受けているそうです。無理のない範囲で節電に努めていきましょう!!



 今日見た遠くの山々は雪化粧をしていました。もうすっかり春から秋にかけての賑わいは過ぎ去ってしまいました。今年生まれた野鳥たちは今頃どうしているのかな?なんて事を思う今日この頃です。

 そんな中、道路沿いに野鳥が使った巣をみつけました。繁殖期にはこの辺に巣があるんだろうな~と思いながら通っていた場所でしたが、車の中からでも見つけられるような場所だったとは・・・


 ブラインド効果を発揮していた葉が全て落ちてしまったので巣が丸見え状態でした。枝が又になってる場所に乗っかるようにして巣を構えていました。


 巣の中にもたくさんの枯れ葉が入っていましたので取り除いて中を確認してみました。見事に「もぬけの殻」でした。

 さて、この巣についてのデータですが・・・
 地上から1.2m程の高さに作られていて、巣の外径が10~11cm、内径が4.5~6cm、巣の縁から産座の底までが2.5cmでした。月日が経って風雨にさらされて若干ゆがんでいました。
 巣材にはススキと思われる枯葉、サワグルミと思われるものの葉柄や不明草本の茎と思われる物などが組み合わされていました。産座部分には植物の根の細い物を選んで使用しているようでした。

 ではこの巣の主は誰なのか?と言うことですが・・・残念ながら断定は出来ません。普段の生息調査などで見る限りではホ○○ロが最有力ですが確かめてはいないので・・・。
 当事務所では、特別に調査している物を除いて基本的に繁殖中の巣には近寄らないようにしています。例えホ○○ロであってもその原則は変わりません!!正直なところ・・・野鳥の繁殖期にはちょっと行き過ぎだと思うやり方をしている事例を耳にしたこともあります。自分たちは大丈夫と思っていても『完璧』というのはなかなか難しいのでしょうね。

 
 今、越冬期に入ってそれぞれの場所で過ごしている野鳥の中に幼鳥を見つけると『まだ1歳にもなってないのに・・・凄いな~・・・』なんて事を思ってしまいます。
 皆さんの周りにもこのような古巣が見つかるかも知れませんよ。そこから色々と想像して自分流の物語を創作してみる。なんていう過ごし方はいかがでしょう?