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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

ミヤマガラスの頭掻き 

2011年11月14日
秋田
 業務のため所管地に向かっていると各地で忙しく『冬支度』が行われています。公園のトイレや東屋が閉鎖され、神社仏閣などの雪囲い、庭木の雪囲い、道路の防風柵設置、タイヤ交換作業等々。皆さんは冬の準備は万端ですか?

 

 野鳥たちが日常的に行う行動に『頭掻き』があります。いずれの野鳥も爪は先端が鋭く尖っているので、その爪でひっかいたら痛いんじゃないかな?なんて心配もしますが、頭掻きをする野鳥たちはとっても気持ちよさそうです^^

 先日、カラスの群れを観察していた時の事・・採餌場所では【ミヤマガラス】もハシボソガラスも一緒になって餌を食べていたのに、休憩のためか防風林に戻ってくる時には、ハシボソガラス達はハシボソガラスが集まる木に集合し、【ミヤマガラス】達は【ミヤマガラス】が集まる別の木に集まって過ごしていたので、同じように見えてもやっぱり仲間意識ってあるのかな?なって思いながら観察していると1羽の【ミヤマガラス】が頭掻きをしていたので、観察してみました。

 この頭掻きはそれぞれの野鳥の体型や特性によって趾に頭を近づけ行うスタイルと翼越しに趾を持ち上げて頭を掻くスタイルとがあるようですが、【ミヤマガラス】は後者のスタイルで、これを『間接頭掻き』と言うそうです。


 真ん中の個体が結構長い時間頭掻きをしていました。


 私から見て遠い方の足を使っていたのでちょっと分かりにくいかも知れませんので、トリミングしてみました。
 頭を傾けて掻く仕草はどことなく、私たちと似ているような気がして・・・そうしているうちに何となく、顔が浮かぶ人がいたり^^

 野鳥と私たち人間の外見は大きく違うかも知れませんが、じっくり観察すると、全く違う生き物とは思えなくなってきます(私だけでしょうか?)。今日取り上げた『頭掻き』に限らず、色々と私たちとよく似た行動もしますし、長く観察していると何となく気持ちが分かるような気がしたり・・・。

 私たちの周りに生息している他の生き物達をじっくり観察して、いろいろなことが分かってくると、その生き物の気持ちというか立場というか・・そんなことも意識するようになって、それが高じてその生き物の生活する環境に思いを巡らせることが出来たら・・・・・・。なんてことを考えた観察でした。