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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

【実施報告】自然観察会『太平湖から小又峡を訪ねて』

2011年11月01日
秋田
 毎月繰り返すことですが・・月末月初めの多用を段取りよくスムーズにこなしたいと思いつつ、毎度毎度慌ただしくミスも連発。。しかも色々、次々飛び込んでくる話に振り回されている感が・・・。


 と、そんな時期、閉館作業の前日それも2週連続で自然観察会を実施しましたのでご報告します。
 今期、いつもの年よりも早めにやってきた紅葉シーズンの最後を締めくくるかのようなタイミングで太平湖の湖岸を彩る紅葉を船上から眺めながら小又峡の遊歩道へと向かいます。船上では参加された皆さんと楽しくお話ししていたので(自分でもびっくりしましたが・・)写真が全くありませんでした。下見の時にかなり撮影したので混同していたかも知れません。。

 と、言うわけであっという間に小又峡の遊歩道を歩き始めます。こちらの紅葉はすでに終わりかけ、歩道には大量の落ち葉が積もり渓谷の両岸では針葉樹の緑が目立っていました。
 小又峡のような剥き出しの岩の上を歩く歩道は危険がいっぱい!!小又峡自体は傾斜も少なく遊歩道マップ等でも『初級』として扱われ、遊覧船で渡っていくなど『お気軽お手軽ハイキングコース』というイメージがありますが、歩道は滑りやすく、切り立った渓谷となっています。もし万が一足を滑らせ渓谷に落ちるようなことがあれば命の危険があります。

 そこで今回の講師2名は現役バリバリでスキルの高い方に依頼して実施しました。私もこの観察会の為にザイルとスローロープを装備していましたが、講師陣も同様にしっかりと万全の準備が出来ていました。気づかれた方がいらっしゃいましたかね?私はこれでかなり安心して自分の役目に専念する事が出来ました。




 渓谷の縁を縫うように伸びる細い歩道の両脇には落ち葉がびっしり!!むしろこの状況は足下に注意が集中しこのコースで実施する観察会には適した状況だったと思います。目線をあげて紅葉を楽しみながらこうしたコースを歩くのは危険ですからね!!


 小又峡のハイライトの一つ。【化の淵(ばけのふち)】です。両側がほぼ垂直に迫りたつ狭い狭い流路です。高所恐怖症の方は目眩が襲ってくるような恐怖を感じるかも知れません!実際に歩くとこの写真ほどの危険は感じずに三階滝まで行くことが出来ますけど・・

 と、今日の日記はちょっと偏った内容になってしましたがこの日の小又峡は見所がいっぱい!!独特の姿の滝や瀬が連続し、特異な岩肌、明確で特徴的な植生、更にはこの時期ならではの見所も満載でした。その辺は参加された方だけの特権ですので詳しくは報告しません!
 ご自分の目で見たい!と言う方は是非小又峡へお越しください。遊覧船は11月3日まで運航しているそうです。


 これにて森吉山野生鳥獣センター運営協議会主催による自然観察会はすべて終了いたしました。ご参加くださいました皆様どうもありがとうございました。今期の観察会は『リスクマネジメント』について考えさせられる機会が多かったです。終わってみれば事故もなく怪我人を出すこともなく全日程を終える事が出来ました。でもこれは決して偶然ではなくそれ相応の備えを持って対応していたからだと思っています。
 今期が終了したばかりですがもうすぐ、来期の実施計画を立案する時期がやってきます。その際には今期の経験や反省を踏まえて、安心して多くの皆様にご参加いただけるものにしたいと思っております。