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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

浸透コンクリートブロックの隙間

2011年10月26日
秋田
 標高の高い山の山頂付近が白くなってきました。そろそろ車のタイヤをスタッドレスに交換しなきゃな~なんて思い始めた今日この頃です。


 今日の秋田県内は寒い一日でした。『そりゃ標高の高いところが白くもなるわ!』と納得する程の冷え込みで、冬用の防寒着は必携でした。明日以降はまた暖かい日差しが戻ってくるようなので、冬の準備も足踏みが出来そうですが自然界では冬を迎える準備が着々と進んでいるようです。



 この光景を見たのは、とある晴れた日のこと。ある業務の予定で行っていたのに『午後から別の仕事を頼む』と言い渡され予定が大きく狂ってしまった時のことでした。。
 それならと巡視に出かけようとしたその矢先、森吉山野生鳥獣センターの敷地内にこのフキバッタの仲間(種を特定する自信が無いので・・)はコンクリートブロックの隙間に腹部を差し込んでいました。


 後ろから見るとこんな感じです。以前、別の場所で似たような光景を見たとき『なんだこれ?』と思っていたのでその時に調べていたのが役立ちました。これは『産卵』をしているのだそうです。

 自分の子孫を残すため、安全な場所で産卵しようとたどり着いた先がこのコンクリートブロックが敷き詰められた場所だったのです。そう言えば、これまで見た場所も「アスファルトの割れ目」だったり「木道の隙間」だったりとこんな場所でいいのか?と思うような場所でした。

 しかしこのコンクリートブロックはただのコンクリートブロックではありません。

 環境省の所管する施設では環境に配慮した様々な設備であったり対策がなされていますが、ここも例外ではなく現地の環境に即した設備を設けています。その一つとして雨水をトイレの排水用等に利用する為に水が浸透するコンクリートブロックを敷設しているのですが、フキバッタの仲間が散乱していたのがまさにこれ!!


 施設内に降った雨の多くはこうした浸透するコンクリートブロックを通って地下のタンクに貯められ、トイレの排水などに使われています。

 フキバッタの仲間が腹部の先端を差し込んでいる先にはフィルターの役目をする目の細かい砂が敷き詰められています。産み落とされた卵がこの砂の目を通り抜けるか?否か?気になって仕方ありません。。吹けば飛ぶような非常にきめの細かい砂なのでこれを採り抜けることはないだろうとは思いつつも・・・


 さてさて、ここに産み落とされた卵の運命やいかに??