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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

『あっ』と『おや?』 ニュウナイスズメ

2011年10月18日
秋田
 風が冷たく感じられる今日の秋田県内。道を歩く方々の背中も丸まっていて如何にも寒そう・・・。気がつけば市街地の街路樹も色づき始めました。

 
 今日の日記は、今大潟村やその周辺でもっとも活発に動き回っているんじゃないか?と思わせる【ニュウナイスズメ】を取り上げました。

 大潟村には毎年お盆前後にやってくる【ニュウナイスズメ】ですが、今期はちょっと早めの8月上旬には既に群れでやって来ているのを確認していました。以来、各所で大きな群れを観察する日々が続きました。特に稲の穂が膨らみ、首が垂れてくる頃には、黄金色の田んぼにオレンジ色とベージュ色の大群が動き回っているのを見て農家の方々の心情を思いめぐらせたものでした。。
 現在、稲刈り作業は順調に進み、田んぼにたわわに実った稲はほとんど無くなりつつありますが、それでも【ニュウナイスズメ】の大群は引き続き大潟村やその周辺に滞在中です!!

 これらの場所には落ち穂の他、野草の実などが大量にあり食糧に困ることはないのでしょうね?
 


 先日、そんな【ニュウナイスズメ】を見ていて『あっ』と思うことがありました。


 その時の写真がこちらです。イタチハギという植物の種子を【ニュウナイスズメ】が啄んでいる様子を写したものです。
 このイタチハギは専門家から『草原性鳥類の繁殖の阻害要因になりうる』とのご指導を頂き、目下その拡大を食い止め、除去する方法等を検討している「要注意」な存在です。他の地域でも除去活動は行われているそうですが、なかなか手強い相手のようです。そのイタチハギを食べていると言うことは・・・【ニュウナイスズメ】がその勢力拡大に一役買っていると言うことになりますよね?
 これまでにもイタチハギの種子を啄んでいる野鳥を確認していましたが、そこにまた1種加わりました。



 しかし、【ニュウナイスズメ】には罪はありません(?)。見た目も愛らしいし、動きは活発だし、観察のしがいがある野鳥です。この観察をしているとき『おや?』っという点に気がつきました。


 ずっと観察してきて『今日もいるな』また『今日もいるな』と幾度となく観察してきた【ニュウナイスズメ】に変化が起きています。皆さんもお気づきになりますよね?特に向かって左側の個体が解りやすいですね。

 そう!夏にやってきて秋を迎えた【ニュウナイスズメ】はここにいる間に(同じ個体がずっといたという確証はありませんが・・)衣替えをし、夏の装いから冬の装いへと変わってきました。季節を一つ過ぎると野鳥の衣にも変化があるんですね~。