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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

キノコが流血?

2011年10月17日
秋田
 目に映る景色は秋そのもの!なのでそれに合わせて洋服を選んだらちょっと気温が高いようで・・・一枚減らして過ごしても平気な今日の秋田市内です。この時期は一日の気温の差も大きくなってきましたので、それに合わせて調整できるような重ね着でオシャレも楽しみたいと思う今日この頃です。



 このところ、森吉ではキノコ採りの方々が増えてきました。皆さんそれぞれ自分なりの採取地があるようで・・・高原内の色々な場所に車が止められています。中には迷惑な場所に駐車して出かけている方や、道幅が狭いので一方通行で利用している道路を逆走してくる方もいるのが、残念でなりません・・

 また、森吉山野生鳥獣センターには『このキノコなんですか?』とか『これって○○だよね?』と言った問い合わせをする方が時々いらっしゃるようですが、その様な質問には返答しかねます。そもそも不確実なキノコを採取してくる事が間違いではないでしょうか?『多分○○だと思う・・・』という場合は採取しないのが賢明でしょう。くどいようですが、森吉山野生鳥獣センターではその様な責任は負いかねます。


 最近、キノコに関心を持っている方がちょっとずつではありますが増えてるみたいだと感じています。私自身が感心を強くしているのでそう感じるのかも知れませんが、先日の巡視時にはキノコにレンズを向けて熱心に撮影している方を見ましたし、ルーペでキノコを観察しキノコに触れているグループもを見かけました。
 今日の日記に取り上げたのはそんな方々と一緒に観察した【チシオタケ】です。このキノコ、見た目にもキノコらしい形をしていますし、サイズも小さく柄も細く華奢な印象を受けます。そんな【チシオタケ】が今、ブナの森にたくさん見ることが出来ます。


 あっちにもこっちにも・・頻繁に見かけます。柄が赤くしっかりした釣り鐘状の傘があって、条線も明瞭です


 この様に倒木の上や、朽ち木の根元等に点々と発生しています。とっても見つけやすいキノコの一つです。


 でもこのキノコの最大の特徴は、傷ついた時に赤い分泌液を出すこと。その様子はまるで流血しているかのようで痛々しくも感じます。
 時には大怪我したかのようにダラダラと流れる事もありますが、流石にそんなに傷つけるのは気が引けるので、ちょっと突っついてみました。赤い液体が出てきているのがお分かりになりますか?(4つの内、一番右側に映っている傘ですよ。)

 解りにくいな!と思った方は図鑑やホームページなどで【チシオタケ】を調べるともっと痛々しくまるで「流血」しているかのような画像が見られると思います。赤い分泌液だとは知りながらも見る方によっては本当に痛々しいと思われる方もいますのでご注意を!!

 
 この【チシオタケ】の存在と特徴を知って以来、キノコが踏み付けられていたり、踏み倒されているのを見ると、凄惨な現場を見てしまったかのような思いに駆られるのは変ですかね?