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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

アメリカザリガニ

2011年09月15日
秋田
 とっても嬉しいことがありました^^V
 この日記をご覧になって下さっている方が、東北アクティブレンジャー写真展をご覧になるため森吉山野生鳥獣センターまでお越し下さったのです。森吉山野生鳥獣センター館内の展示については、色々と悩み、試行錯誤しながら限られた時間と予算の中でやっているのでこうしていらっしゃて貰えると本当に本当に嬉しくなります。元気が出ます!!残念ながら直接お会いすることは叶いませんでしたが、是非直接お話しして、感想などを聞けたらなと思っています。



 今日の日記は先日大潟でのとある調査をしていて一番目に付いた生きものについて書こうと思います。
 普段の「ルートセンサス調査」では観察路に沿って決まった道順で実施しているのでそれ以外の場所を歩くことはないのですが、この日はルート以外の場所を、時には水辺をジャブジャブと、時には背丈を遙かに超えるヨシをかき分けて、時には樹のよじ登り、時には棘のある植物に悪戦苦闘しながら・・・特別保護区内を隈無く歩いていました。

 そんな時、もっとも目に付いたのが【アメリカザリガニ】でした。通常の観察路はもちろんのこと、水路、池沼、水溜まり、林下の湿地、ヨシ原などなど特別保護地区内の全ての環境下で観察することが出来ました。そんな生きものは他にはいません!!


 水門近くの流れの強い場所でもそれに逆らって突き進んでいる個体もいました。
 

 水路の中に自分の居場所を見つけデンと陣取っている個体もいました。


 そして林の中にはかなり沢山の【アメリカザリガニ】がいました。
 コロニーと言いましょうか・・あちこちに穴が空いていてそこには【アメリカザリガニ】がいます。あまりの多さに多分何匹か踏んでしまっています。。そんな感触があって慌てて脚を上げると泥だらけになった【アメリカザリガニ】がファイティングポーズをとって私を見上げていました。


 この林というのは実はサギのコロニーの真下。つい先日までアオサギ、ダイサギ、ゴイサギ合わせて数え切れないほどの巣があってそこで沢山の雛達が生まれ、巣立っていきました。
 【アメリカザリガニ】は、そんな彼らの食糧にもなっていたはずです。しかし、繁殖が終わったばかりだというのにこれほど密に生息しているとは正直驚きました。しかも彼らの巣の真下に堂々と自分たちの生活場所を構えてるなんて・・・。

 この特別保護地区内は彼らにとって沢山の危険もあるはずです。サギ以外にもウシガエルやカラス達など【アメリカザリガニ】の天敵といえる生きものがたくさんいます。時には人間の子供が捕まえていったりもします。にもかかわらず、この生息密度!!驚きです。。
 【アメリカザリガニ】を捕食する生きものが大潟にやってきたら絶対に飢えることはないでしょう。かつてタンチョウが居た時には数分おきに捕まえて次から次と丸呑みしていたのに次の日もまたその次の日も同じ場所で採餌していましたからね・・・。


 ちなみにこの時、私は暑い中、道ではないところを数時間歩き続けてほぼグロッキー状態・・・。でも相変わらず次々と【アメリカザリガニ】に出くわします。そしてそれらほぼ全部が自分の百倍以上もデカイ私に向かってファイティングポーズをとってきます・・・。正直もううんざりでした(涙)『なんだよ~お前もかよ・・』と泣き言が口をついて出ました。しばらくは【アメリカザリガニ】を見るのもイヤになりました。