東北地域のアイコン

東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

道路にて

2011年09月01日
秋田
 あっという間に9月突入です。森吉山野生鳥獣センターの開館期間も残り2ヶ月です。

 はい。その森吉山野生鳥獣センター周辺ですが、アクセス道路の修復工事も一段落して、秋の行楽シーズンへの備えが整いつつあります。今日はそんな中、ちょっと気になっていることを書こうと思います。

 今日の記事&写真はちょっと・・・これから食事方は時間をずらしてご覧になった方がよろしいかと思います。





 例年この時期になると繁殖期を迎えたヘビたちの動きが活発になるのか?道路に姿を見せることが多くなります。その多くはヤマカガシですが今期は【シマヘビ】の姿もよく見かけます。


 森吉山野生鳥獣センターから帰る時に見つけた【シマヘビ】です。今期は真っ黒な通称カラスヘビやヤマカガシそっくりの体色をした個体など様々な【シマヘビ】に逢っています。

 こうして道路に出てくること自体は何ら問題はないのですが・・・気になるのは『ロードキル』が頻繁に発生していること。晴れた日には複数の死骸を見かけます。嫌われ者として扱われるヘビ達ですが、残念なことに、そこにいると解っていて轢く方がいらっしゃるんですよ・・・。あれは見るに堪えがたい!!


 続いて・・森吉山野生鳥獣センター周辺でも目撃情報が寄せられているツキノワグマに関する2題。


 森吉山麓高原のヒバクラ登山道との分岐点に設置している案内標識です。ちょっと前から傷つけられていたことは気付いていたのですが・・。8月28日(日)に案内解説員さんが出勤中に片方の支柱がズタズタになって倒れているのを見つけて応急処置をしてくれていましたがその後、みるみるうちに支柱が細く、短くなっていき遂に・・(この写真の状態から更に悪化しました)。どうしようもなく、この案内標識は撤去しました。出来るだけ早期に修復したものを設置できるようにいたします。


 8月下旬から数カ所、路上に大量の糞が落ちているのが確認されています。こんな大量の糞をする動物はツキノワグマをおいて他にいません!!
 そこには大量の種子と木の実の外皮と思われる物が混じっています。目撃情報の中には木に登って実を食べていたという情報も何件かありますので現在は主に木の実を食べているようですね。

 これらの場所は通常車に乗って通過してくる場所ですので生身の状態で、ツキノワグマと遭遇する事はほとんど無いとは思いますが、こうも路上にツキノワグマの痕跡が多いと心配になってきます。今期は実際に遭遇する機会も多いですしね・・・


 最後に、今期森吉でツキノワグマの話題になった時、語られた話を・・
 Aさんの話。このエリアで10年働いてきたけどこれまで10年で2回しかクマを見たことがなかったのに今年はもう4回も見た。
 Bさんの話。この場所には仕事で何度もきているけど実は一度もクマを見たことがなかった。今年初めて見たと思ったら立て続けに3回見た。
 Cさんの話。これまでニュースで『今年はツキノワグマの目撃情報が多くなっている』という話を聞いても『そんな事ないべ!!』と思っていたけど今年は確かに多いと思う!!


 
 こういった話は森吉山鳥獣保護区に限った話では無いと思います。どうかいつも以上の警戒をお願いいたします。