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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

大沼歩道熊騒動

2011年08月20日
鹿角
大沼歩道熊騒動
8月14日、本日も鹿角市と合同で大沼歩道の入り口で観光客の皆さんに熊注意のチラシ配布を行いながら、歩道の合同巡視2日目です。午前中は熊の姿を見ず、もう出るなよ、と念じつつ。

14:00、巡視中に親熊、そして子熊を続けて目撃したので、熊よけスプレーを構えて警戒をしていたところ、木道脇の藪の中からこちらを伺っている熊と遭遇しました。熊よけスプレーを5Mの距離から発射すると、この熊は、側の立木に駆け上がり、駆け下って逃げていきました。

8月6日以来、頻繁に目撃されていた体長1M程の親熊でした。

 この熊については、害獣として駆除されるべきか否かについての議論がありました。すでに「熊出没中」・「もし熊に出会ったら」、の看板、人の存在を知らせる警鐘(ガンガン)の取り付けを自然保護官事務所として行っていたし、市と県との打ち合わせの中では、駆除の前に出来ることとして、熊出没の場所と対処についてのチラシの配布をする。盆中で観光客が増える期間の合同パトロールを行う。大沼の熊が食べている水芭蕉の実が無くなったら熊はいなくなるか?、ということを専門家に確認する。などをとりあえずの対策としていました。

 歩道入り口で熊の出没情報を告げ、チラシを配布すると、行かない方、途中から戻る方もいますが、「これだけ人がいるんだから大丈夫・山だから熊がいて当然・何度か会っているから大丈夫」と、散策に行かれる方も多いようでした。
現状では歩道の通行止めの必要はないと判断し、巡視とチラシの配布のみで対応しましたが、もし、歩道上で
事故があったら、この責任の所在はどこにあるのでしょうか。捕獲したら放獣をしてほしい、との申し出はしていますが、予算的な問題もあると聞きます。何かしらの被害があれば害獣ということになるでしょうが、現状で木道上に出ている親子熊の処遇について、皆さんはどう考えますか。
 
 ~8月14日の熊スプレーで対応して以来、8月19日現在、歩道上でこの熊の目撃はありません。



見栄えはよくありませんが、注意喚起の意味もあり、こんな物を数カ所取り付けました。



歩道の入り口に「もし熊に出会ったら」の看板を取り付けました。



悠然と歩道上に座って、こちらを伺っている母熊。