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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

ヤマナメクジの仕業

2011年08月17日
秋田
 雨が降ったと思ったら大雨洪水警報が出るほどの激しさ・・なんという振り幅の大きさですか。先日まで今期は平年の半分程度の降水量なので渇水状況となり節電に加えて節水の呼びかけがなされていたのに・・。暑さも雨も「適度」がイイです。



 季節の移ろいが感じられる今日この頃、森吉山麓には本格的なキノコシーズンが到来しようとしています。今はチチタケなアイタケなど夏の終わり頃に見られるキノコが多数発生しています。
 そんなキノコを観察していると、時々この様な傷んだキノコを見かけることがあります。


 写真に赤い「←ここ」を付けておきました。こんな感じで部分的にぬめっていて腐りかけているように見えます。でも実際にはこれらのキノコは老菌となっているものばかりではなくハリのある成菌にもこの様な傷みを見かけます。

 このキノコはアイタケという食用になるキノコでいい出汁が出て美味いとされるいます。周囲にあるアイタケの中でその一番良さそうなものを贅沢にもつまみ食いしていたのは・・・


 【ヤマナメクジ】でした。キノコは彼らの好物の一つだそうで、キノコの原木栽培をしている方々にとっては厄介者なんだそうです。今回はアイタケを食べていましたが他のキノコも食べるようです。
 
 この写真にも赤い←を付けておきました。彼らの仕業であることを示すぬめりが残っていました。【ヤマナメクジ】が食事をしているらしきシーンは何度か観察していますが、決して美味しそうには見えない物が多いように思います。その中にあってこのアイタケは彼にとってご馳走であったことでしょう!!何となくむしゃぶりついて一心不乱に食べているようにも見えます。




 さて、話は変わりますが・・・先日、登山道脇にあるドクベニタケらしきキノコをことごとく蹴り倒している方を見かけ「どうしてそんなことをしているんですか?」と声をかけたところ『毒キノコなんて何の役にも立たないんだし、誰かが間違って採って行ったら大変だから』という答えが返ってきました。こうして倒れていたら食用だとは思わないだろうからと厚意でやっているようでした。それに対して私の意見を述べたところ『そんなこともあるか・・・』と言い、その後蹴り倒すのを止めてもらえました。
 そしてもう一つ・・・休憩中に突然『うわ~気持ち悪い』と大きな声を上げる方がいたので行ってみると、足下にいた【ヤマナメクジ】に持っていた食塩を振りかけている場面に出くわしました。どうもその方は生理的に受け付けなかったようで、どうにかしたいけど触わるのは勿論、何かで持ち上げるのも無理なようでした。でもその結果、もっとグロテスクな場面を間近で見る羽目になってしまいました。


 どちらも今期、実際にあった話。そしてこれまでにも何度か見たことのある場面でした。。これらについてこれ以上書くのは止めますが、皆さんはどの様な感想をお持ちになりましたか?