アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]
トビの繁殖観察
2011年07月14日
秋田
各地で暑い日が続いているようです。当事務所の入居するビルでもここ数日はエアコンを使っている事務所が多いようです。節電もとっても大切なことですが体調管理も大切です。特に熱中症には充分に配慮しなければなりません。今年は秋田県内でも熱中症で緊急搬送されるケースが多くなっているそうです。皆さんしっかり対策をしてください。
ちなみに環境省でも熱中症に関する情報を発信していますので参考にして下さい。
さて・・・継続して観察してきた「南の池公園」の【トビ】が巣立ちました。今年も無事に巣立った喜びと、あんなに人目に付く場所にあるにも関わらず皆さんが温かく見守って下さったお礼の意味も含めて報告します。
年度が新しくなって、最初の大潟草原鳥獣保護区巡視の日。『今年もこの巣で繁殖が見られるかな?』と思い、何となく巣の上をみると既に1羽の【トビ】が巣の上で伏せていました(写真1枚目の上段参照)。流石に『この時期から卵を抱いてはいないだろう』と思ったのは4月の初旬でした。
この巣を観察してきて、【トビ】は未だ卵を産む前に抱卵している様な姿勢で巣の上に伏せることがあると解ってきました。過去何度かの経過観察と巣立ちの日から一般に言われている繁殖スケジュールを当てはめてみても、1ヶ月近く計算が合わないことが通例です。なのでこの1枚目の写真の上段の段階では未だ卵は産み落とされていないと思われます。
その後、巣の上にいたりいなかったりと安定しない状態(写真1枚目の上段の左下参照)が4月下旬まで続きました。きっとこの頃も卵は産み落とされていなかったと推測されます。
【トビ】がその後継続して巣の上で伏せるようになったのはGWの頃でした。近くで作業する人がいても、近くに大型車両が来ても警戒はするものの巣から動こうとはしませんでした(写真1枚目の下段参照)。この頃には抱卵を開始したものと推測しています。この時には『このまま順調にいけば、7月の中旬頃に巣立ちかな?』なんて思ったことを思い出します。
5月は何時行っても巣の上でこちらの様子を伺う【トビ】と巣の上に何か変化がないか?伺い知ろうとする私が視線を合わせるだけの日々が続きました。
6月になって直ぐ、巣の上に親鳥の姿が無くなる時がありました。巣の上には2羽の雛が見えます(写真2枚目上段参照)。この時既に雛の身体に茶色い羽が見えていますので孵化後数日が経過していることが解ります。抱卵日数をおよそ30日とすればGWの頃に産卵したと見て間違いなさそうです。
6月の中旬から下旬にかけては日に日に成長する雛の姿を観察する楽しい時間を過ごしました。サイズもどんどん変化しますし、羽もどんどん【トビ】らしくなっていきました(写真2枚目下段参照)。この時期になると親鳥が交替でどんどん餌を運んできます。それを争うように食べようとするのですが2羽の雛の体格差が大きく、どうしても身体の大きな雛の方が有利だったようです。それでも小さな雛も日に日に逞しさを増していったように思います。
6月も末になったころ、巣の上に1羽の親鳥と2羽の雛が同時に観察できる日がありました。この頃にはサイズは親鳥と変わりなく、羽の色が赤っぽいことからこの2羽が雛だと解る位にまで成長してきました。
7月の初旬。いつものように巣を観察すると1羽の雛が巣からちょっとだけ離れて枝を移動しているのが確認できました(写真3枚目上段参照)。いよいよ精神的にも一人前に近づいてきた証拠でしょうか?この時、『もうそろそろ巣立ちだな。』と感慨にふけってしまいました。
今週行った一番最近の巡視の時、既に巣の上には1羽の雛しかいませんでした(写真3枚目下段参照)。いくら周囲の枝を探しても、もう1羽の雛の姿が見えません。1羽は一足先に巣立ったようです。これまでの成長段階を見てきても随分と差があった2羽の雛ですが巣立ちの日にも差が出たようです。でも今頃は既に巣立って親鳥や兄弟や他の仲間達と一緒に大空にくるりと輪を描いている頃でしょうか?
次の巡視の日には空を見上げて『あの巣から巣立った【トビ】何処にいるかな?』と思いながら巡視・調査することとなりそうです。
ちなみに環境省でも熱中症に関する情報を発信していますので参考にして下さい。
さて・・・継続して観察してきた「南の池公園」の【トビ】が巣立ちました。今年も無事に巣立った喜びと、あんなに人目に付く場所にあるにも関わらず皆さんが温かく見守って下さったお礼の意味も含めて報告します。
年度が新しくなって、最初の大潟草原鳥獣保護区巡視の日。『今年もこの巣で繁殖が見られるかな?』と思い、何となく巣の上をみると既に1羽の【トビ】が巣の上で伏せていました(写真1枚目の上段参照)。流石に『この時期から卵を抱いてはいないだろう』と思ったのは4月の初旬でした。
この巣を観察してきて、【トビ】は未だ卵を産む前に抱卵している様な姿勢で巣の上に伏せることがあると解ってきました。過去何度かの経過観察と巣立ちの日から一般に言われている繁殖スケジュールを当てはめてみても、1ヶ月近く計算が合わないことが通例です。なのでこの1枚目の写真の上段の段階では未だ卵は産み落とされていないと思われます。
その後、巣の上にいたりいなかったりと安定しない状態(写真1枚目の上段の左下参照)が4月下旬まで続きました。きっとこの頃も卵は産み落とされていなかったと推測されます。
【トビ】がその後継続して巣の上で伏せるようになったのはGWの頃でした。近くで作業する人がいても、近くに大型車両が来ても警戒はするものの巣から動こうとはしませんでした(写真1枚目の下段参照)。この頃には抱卵を開始したものと推測しています。この時には『このまま順調にいけば、7月の中旬頃に巣立ちかな?』なんて思ったことを思い出します。
5月は何時行っても巣の上でこちらの様子を伺う【トビ】と巣の上に何か変化がないか?伺い知ろうとする私が視線を合わせるだけの日々が続きました。
6月になって直ぐ、巣の上に親鳥の姿が無くなる時がありました。巣の上には2羽の雛が見えます(写真2枚目上段参照)。この時既に雛の身体に茶色い羽が見えていますので孵化後数日が経過していることが解ります。抱卵日数をおよそ30日とすればGWの頃に産卵したと見て間違いなさそうです。
6月の中旬から下旬にかけては日に日に成長する雛の姿を観察する楽しい時間を過ごしました。サイズもどんどん変化しますし、羽もどんどん【トビ】らしくなっていきました(写真2枚目下段参照)。この時期になると親鳥が交替でどんどん餌を運んできます。それを争うように食べようとするのですが2羽の雛の体格差が大きく、どうしても身体の大きな雛の方が有利だったようです。それでも小さな雛も日に日に逞しさを増していったように思います。
6月も末になったころ、巣の上に1羽の親鳥と2羽の雛が同時に観察できる日がありました。この頃にはサイズは親鳥と変わりなく、羽の色が赤っぽいことからこの2羽が雛だと解る位にまで成長してきました。
7月の初旬。いつものように巣を観察すると1羽の雛が巣からちょっとだけ離れて枝を移動しているのが確認できました(写真3枚目上段参照)。いよいよ精神的にも一人前に近づいてきた証拠でしょうか?この時、『もうそろそろ巣立ちだな。』と感慨にふけってしまいました。
今週行った一番最近の巡視の時、既に巣の上には1羽の雛しかいませんでした(写真3枚目下段参照)。いくら周囲の枝を探しても、もう1羽の雛の姿が見えません。1羽は一足先に巣立ったようです。これまでの成長段階を見てきても随分と差があった2羽の雛ですが巣立ちの日にも差が出たようです。でも今頃は既に巣立って親鳥や兄弟や他の仲間達と一緒に大空にくるりと輪を描いている頃でしょうか?
次の巡視の日には空を見上げて『あの巣から巣立った【トビ】何処にいるかな?』と思いながら巡視・調査することとなりそうです。