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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

『節電の夏』は涼を求めて・・その2

2011年07月13日
秋田
 例年になく短期間で終わった今年の梅雨。この先、厳しい夏がいつもよりも長く続くのかと思うとなんだか、しんどくなってきますが・・暑い暑いと室内に籠もっていても『節電の夏』を涼しく過ごすことは出来ないでしょう。なので『涼』を求めてお出かけしましょう!!ということで・・・


 前回(7月1日)に続いて第2弾。「黄色」繋がりで今日のオススメは「高層湿原のニッコウキスゲ」です!!


 花の山として名高い森吉山とその外輪山には『お花畑』と呼ばれる高層湿原が点在しています。稚児平(ちごだいら)、山人平(やまびとだいら)等は「雲上の楽園」あるいは「山上のオアシス」等と賞賛され、花の時期には多くの登山者で賑わいます。
 『そんな場所はお花も良いけど人の数も凄いんでしょ?』とおっしゃる方もいらっしゃいます。私も個人的には静かな山歩きを好みます。そこで広いお花畑があって、かつ比較的静かなヒバクラ岳の山頂付近に広がる『ヒバクラ湿原』をオススメします。


 ヒバクラ岳へ登る方法はいくつかありますが、最短距離で行けるのは森吉山野生鳥獣センターなどのある森吉山麓高原の登山口から登るルートです。山頂までの所要時間は約2時間。個人の体力や技量によって前後しますが、初めは森の中を緩やかに登りますが、周囲にモロビ(オオシラビソをこの地域ではこう呼びます。)が見え始める頃になると傾斜が増して体力的にもきつく感じるところです。
 なのでその急傾斜の登山道を登る前に湧水地点で休憩しましょう。


 ルートからちょっと逸れた場所にありますがほんの1分ほどですので是非立ち寄って下さい。夏でも豊富な湧水がこんこんと湧き出ています。水も冷たいですが周囲の空気も冷たく感じ、汗がスーッと引いていくのが解ります。
 余談ですが・・登る時に水場に行って涼んで、冷たい水で顔を洗って一段落してから急登に向かった私は余裕を持って山頂に着きましたが、水場に行かずにルート上で休憩をとった保護官は急登でバテバテでした。


 水場で回復した元気で急登を登り切るとそこはもう高層湿原の入口です。現在は【ニッコウキスゲ】が見頃を迎えています。今シーズンは【ニッコウキスゲ】の当たり年のようで、いつもより花株も多く、株毎に付く花の数もやや多いように感じます。


 『ヒバクラ湿原』からは東北の山らしいどっしりした姿の森吉山本峰「向岳」が目の前に聳えます。【ニッコウキスゲ】越しに見る森吉本峰はまた一段と美しい!!

 木道に腰を下ろし、花と眺めを楽しんでいると街の喧噪や、茹だるような暑さが想像できなくなるほどです。。


 ここでも未だ余裕のある方は、森吉山本峰の向岳や、小池ヶ原、割沢森などの外輪山を巡る縦走路のいずれかに脚を伸ばしても良いでしょう!!


 どちらのルートに向かってもお花畑は連続します。途中【ニッコウキスゲ】が木道や歩道を覆うようになっている箇所があります。このような道では誰もが優しい気持ちになって花をいたわるようにして歩くことでしょう!!


 この記事では一番の見所と思われる箇所の写真を敢えて使っていません。一面に広がる【ニッコウキスゲ】やその他の花々はご自分の目で見るのが一番です。見頃はこの先数日間でしょう!どうやら天気の心配はないようですので是非お越し下さい。