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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

人工物の上で

2011年06月27日
秋田
 梅雨入りした途端、降る雨の量が尋常ではありません。ここ数日の報道で何度「観測史上最高の雨量」というワードを聞いたか・・。秋田市でも近くを流れる雄物川の水位が異常に高くなったり、そこへ流れ込む支流の水位が高くなり広い範囲で影響が出ました。かなりの広範囲で家屋の床上床下浸水するなど大きな被害に見舞われ、一時避難勧告が出され付近の小学校等へ避難した方々がいらっしゃいました。畑など農地へも浸水し、収穫目前の農作物への被害も大きかったようです。それにしても、災難が続きます・・・。

 それでも上を向いていかなければなりません。




 はい。では今日もこの時期フィールで観察可能な話から・・・

 大潟村にはたくさんの【オオジシギ】が渡ってきます。春先、盛んにジェージェー♪ ジュージュー♪といった鳴き声が聞こえていましたが、そこからピタッと鳴き声が聞かれなくなりました。管理員さんと『繁殖期に入って忙しくなったんだろうな』なんて話していたのですが・・最近になって以前にも増して賑々しく鳴き声が聞かれるようになりました。




 しかも、その鳴き声のする方向を見ると決まって”人工物の上”なんです。この様に屋根の上であったり電柱のてっぺんであったりと。

 先日、とある調査の時に担当した地区には5羽の【オオジシギ】がいました。まだ日の出から1時間くらいして辺りがすっかり明るくなり始めた頃、【オオジシギ】は活動を始めます。
 塒は仲良く、「フェンスの上」。そこで1羽が鳴き声を上げ始めるとそれが活動開始の合図になるようです。他の個体もそれぞれに泣き出したり、周囲を飛び回ったりします。そのうち5羽が編隊飛行でまるで飛行機が通過するときのような羽音をあげながら飛び回ります。鳴き声も挙げますし、猛スピードで飛び回るし・・・もう相当賑やかです。飛ぶのを止めてもその賑やかさは失われません。そこかしこで鳴き声をあげています。
 ですから懸命に探す必要なんてありません。そこに行きさえすれば、鳴き声や羽音で直ぐに存在を知らせてくれます。


 ここの他にもたくさん【オオジシギ】が観察できるポイントがあります。そしてそのいずれでも彼らは賑やかです。今年生まれた野鳥達が元気にスクスクと成長して今が”やんちゃ盛り”なんでしょうかね?彼らを観察しているとこちらも忙しくて、身体を動かすうちに自然に元気が出て来るような気がします。こんな時にはオススメの観察対象ですよ!!