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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

代掻き田んぼにユリカモメ

2011年05月16日
秋田
 今日の秋田市内は温かい日差しが降り注ぎ、半袖で過ごす方もチラホラと見かけます。こんな日は前倒しして実施している「クールビズ」が有効ですね。当事務所でも(個人差はありますが・・)事務室内では軽装で過ごしやすくして業務に励んでいます。
 環境省のHPではこれからも継続して節電に取り組む為に『みんなで節電アクション!』として事務所で家庭で取り組める様々な節電のポイントを紹介しています。参考にしていただけたら幸いです。




 秋田県内では、このところようやく温かくなってきて例年に比べて遅れていた田んぼでの農作業が本格化してきたようです。大潟村やその周辺でも田んぼに水が入りキラキラと眩しく輝く景色が広がってきました。
 そうすると大挙してやって来るのが・・・【ユリカモメ】です。カモメと言えば港など海岸で見られる野鳥というイメージですが、私的には【ユリカモメ】=代掻きが終わった田んぼに集まる野鳥というイメージです。
 実際に大潟へ向かう途中の港や河口を覗くと、【ユリカモメ】の姿は少なく、水が張られた田んぼに大きな群れを見ることが出来ます。

 先日の巡視時にも西部承水路沿いの代掻きが終わった田んぼや水を張った休耕田にたくさんの【ユリカモメ】がいました。彼らの主目的は『食事』!!観察すると水を張った中からいわゆるイモムシやら、何か甲虫らしきものまで次々と啄んでは飲み込んでいました。


 繁殖羽に変わっている個体は眼の回りに白いアイリングがあるため、より一層「目」が際だって眼力が増したような気がします。大きく見開いて目力がハンパ無いみたい^^


 少数ではありますが非繁殖羽の個体も見られます(←とはいっても換羽は始まっているようですが・・)。頭部に小型のヘッドフォンを付けているかのような模様が、繁殖羽に比べて、なんとなくお気楽な感じで餌を探しているように見えてしまいます(←失礼!!)。が、勿論そんな事はなく、真剣に餌を探しているのですが・・・



 そして【ユリカモメ】達は代掻きの終わった田んぼで休憩も取ります。この時は数羽ずつのグループに分かれて点々として休憩していました。
 彼らの休憩している場所をよく見ると・・・どうやら水を張った田んぼの中でも水深の浅い場所を選んで集まってきているようでした。


 彼らの足元を見るとチラホラと土か藁の残骸らしきものが見えています。つまりは周囲に比べて若干高くなっているのでしょう。わざわざそんな場所を選んで休憩するのは何故なんでしょうか?普段【ユリカモメ】達は海の上に浮いた状態で休憩したりもするでしょうから水を敬遠しているとは考えにくいのですが・・・ひょっとしたら田んぼの中の泥に足を取られるのが嫌なのでしょうか?

 
 【ユリカモメ】を観察していると同じ種類であっても過ごす地域や場所が変われば、その環境にアジャストして上手く生活している事が解ります。野鳥の生活も「郷に入っては郷に従え!」そして食生活は「ところ変われば品変わる!」ですね。