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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

白神山地の今を伝える!-みどりの日の集い(峨瓏大滝・高山)-

2011年05月09日
白神山地
皆さん、ゴールデンウィークは、いかがお過ごしだったでしょうか?
白神山地世界遺産センターにも遠方からお客さんが来られ、白神山地や津軽地方、青森の魅力を伝えることが出来ました。
さて今回は、連休中の5月4日に白神山地世界遺産センター藤里館で行われた「みどりの日の集い」についてお伝えします。


観察会風景(上中心:斎藤栄作美さん、下中心:鎌田孝一さん) photo 2011.5.4

今回は、秋田県藤里町内の観察ポイントを巡る行程8kmの観察会でした。
各観察ポイントでは、秋田白神ガイド協会の鎌田孝一さんと自然アドバイザー斎藤栄作美さんによる解説を聞き、藤里町の林業や文化、自然について学びました。
今回の観察会には23名が参加され、参加者の多くは藤里町を始め、能代市や秋田市からで、登山を始めたばかりの方や久しぶりに登山を始めた方、中には毎年参加されているリピーターの方も!


田中の大銀杏(権現の大銀杏) photo 2011.5.4

ところどころで雨や遠雷が響く悪天候の中でしたが、観察ポイントや登山の最中には雨も上がり、新春の藤里を満喫することが出来ました。
県指定の天然記念物になっている田中の大銀杏(権現の大銀杏)では、樹齢300年を超える巨木に触れ、感激される方もいらっしゃいました。
あたりにはフキノトウやツクシ、タチツボスミレなどを見ることができましたが、まだまだ大銀杏には芽吹きを見ることができませんでした。新緑まで後わずかのようです。


高山登山(左上:登山風景、右上・左下:クマ棚説明、右下:銚子の滝) photo 2011.5.4

大銀杏に次いで、峨瓏の滝や峨瓏の渓谷を経由し、遺産センターの裏側にある高山(388.4m)に登山。道沿いの草花や人の暮らしの痕跡を辿ります。
皆さん一緒に、道端のスミレやイチゲ、カタクリの花々に癒されながら歩みました。
山頂に着く頃には、参加者同士で会話を楽しまれていました。
下山中には、登山道を挟んで両側のナラの木とクリの木にできた「クマ棚」を観察しました。昨年の秋にできたツキノワグマの食事の痕跡だそうです。
普段見る機会の少ない野生動物の痕跡で、身近に野生動物の息づかいを感じることができ、貴重な体験になったのではないでしょうか?


集合写真(高山山頂) photo 2011.5.4

残念ながらガスで、山頂から小岳や藤里駒ケ岳、白神山地を眺めることは出来ませんでした。参加者の皆さんからは「また、再挑戦したい」、「きれいな草花を見ることができてよかった。」という声が聞けました。

さて、今回は藤里町の魅力にふれあう登山でした。
今後、白神山地世界遺産センター藤里館活動協議会では、藤里駒ケ岳や岳岱、小岳、子供達を対象とした水辺の観察会を企画しています。
是非、そちらもご参加ください。