東北地域のアイコン

東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

それぞれに、それぞれの

2011年03月22日
秋田

 3羽の【カンムリカイツブリ】がそれぞれに、それぞれの、思いでそれぞれのポーズをとっていました。左から、首を前方に伸ばして低姿勢で進むこのポーズは先日(2011/3/16の記事)お伝えしました。右に2羽写っています。手前のポーズは初めてお伝えします。首から体全体を伸ばして前に倒れるようにして水面を歩いています。この時は水中から突然現れてこのポーズで数歩進みました。奥にいるのがやはり先日(2011/3/17の記事)お伝えした羽を半開き状態にしたポーズを正面から見たものです。
 共通しているのは求愛の一行動であろうこと。私にはその意味合いは解りませんがそれぞれが、それぞれに最適なポーズを示しているものと思います。コミカルに見えますが彼らにとっては懸命な行動なんだと思います。みんな報われると良いですね!!






『それぞれに、それぞれの』





 震災から11日目。被災地では多くの方々がそれぞれの思いを胸に、懸命に生きています!!皆さんがそれぞれに思っていること、伝えたいことがあろうかと思います。
 今日は、私たちアクティブレンジャーの仲間である宮古自然保護官事務所の高屋敷ARからメッセージを預かっていますのでそれを代書させていただきます。

<はじまり>

 『みなさん、こんにちは。宮古自然保護官事務所の高屋敷です。みなさんにこうしてメッセージをおくることができ、うれしく思います。
 3月11日、大きな地震のすぐあとに、黒い波が街をのみこみました。今は現実の事として受け入れられていないのか、冷静でいられています。まるで自分の事ではないようです。
 私の生まれた街は津波にのまれ壊滅です。みんなが着の身着のまま逃げました。家を失った人達は今、避難所生活を送っています。ガソリン、灯油も不足している状況で、電気、水道も復旧しなくて大変ですが、みんなが助けあって生活しています。
 みなさんから、温かいメッセージや、物資を頂きすごく励まされています。ホントにありがとうございます。
 私は元気です。家族や友達、知り合いを失った人、不明者を探している人も沢山いるなか、私が現地で出来る事を一生懸命やろうと思います。
 誰もが経験したことのない、この大規模な災害の経験をしたことを重く受け止めています。
 少し落ち着いたらまた日記を更新したいと思います。

<おわり>


 アクティブレンジャーとして・・・気丈にもこのようなメッセージが綴られていますがきっと本音は、もっと別のものかなと思います。
 高屋敷ARも避難所生活を強いられています。不便もあるでしょう。大変なこともあるはずです。皆さんそれぞれがそれぞれに抱いている思いがあるはずです。訴えたいことがあるはずです。

 私たちも被災地へ、多くの被災者や支援している方々を後方から支援し続けなければなりません!!まだまだ伝わっていない思いがあるかも知れません。届いていない声があるかも知れません。
 私たちは今、必要なことや出来ることを実践しつつ、どうにかして、こうした思いや声をもっともっと汲み上げられないものでしょうか?