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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

目印は折損

2011年03月07日
秋田
 豊富な知見をお持ちの釧路自然環境事務所の方より『写真、確かにオジロワシですので、・・・オオワシではもっと黒っぽく見えます。』とご指摘を頂きまして【オオワシ】としていたものを【オジロワシ】に修正しています。入念なチェックをしたつもりでしたが、私の不勉強により不正確な情報を発してしまいましたことをお詫び申し上げます。


 今日は大潟でフキノトウを見ました。この先の天気予報が雪だったり、寒の戻りがあったりとまだまだ「冬」だと思っていましたが、暦の上では昨日、啓蟄でしたし、確実に「春」がやって来ているようです。




 はい。「春」は”別れ”と”出会い”の季節。それは自然界でも一緒!今、大潟を賑わしている冬の野鳥達は徐々に北へと旅立っていっています。少しずつ”別れ”が積み重なっていきます。

 今日取り上げる【オジロワシ】もそんな野鳥のうちの一羽です。既に確認できなくなって久しいので既に何処か北の地で過ごしているかも知れません。もう知らないうちにお別れしてしまったのかな~。


 先日、この日記で「予期せぬ鳥」として取り上げた【オジロワシ】の幼鳥です。今でも氷の上で大きな魚を食べる光景が瞼の裏に焼き付いています。


 その【オジロワシ】の幼鳥には個体識別できる特長があります。「風切羽の折損箇所」です。


 羽の折損箇所によって個体識別をする方法は現在、各種調査でも用いられている方法だそうです。そこでこの【オジロワシ】幼鳥でも風切羽の折損部分を明らかにして、もしかしたら他の観察者によって観察・記録されて移動経路が解ったりしたら嬉しいな~と思ったので取り上げてみました。


 翼を広げてカラスたちの執拗な嫌がらせ(?)に抵抗したときの画像です。向かって右の(オジロワシの左)翼は初列風切りの外側から6番目の羽の先端が無くなっています。そして向かって左の(オジロワシの右)翼の初列風切りの一番外側の羽が千切れて短くなっています。

 これと同じ特長が下の写真でも見られます。上の写真が2月下旬の撮影。下の写真が2月上旬に撮影した写真です。


 私が大潟でこの【オジロワシ】幼鳥を初めて確認したのは2月2日でした。以来度々観察できていて最後に観察したのは2月28日でした。
 私の観察だけでもおよそ1ヶ月間大潟で過ごしていたことが解ります。もしかしたらそれ以前、あるいはそれ以降にも、どなたか観察している人がいるかも知れません。また既に北海道など北の地域へ移動しているのかも知れません。
 もしこれと同じような折損箇所がある【オジロワシ】の幼鳥を観察したら、その個体は私が見た個体である可能性が極めて高いと思われます。



 もし、この様な【オジロワシ】幼鳥を観察された方がいらっしゃいましたら、ご面倒でも秋田自然保護官事務所(018-867-8588)までご連絡いただけませんか?私もこの【オジロワシ】が何処に行っているのか気になりますし、あなたが見ている【オジロワシ】が秋田の大潟村で過ごしていた個体だと解ったらなんかちょっと嬉しくないですか?