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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

極寒を耐えたガン達

2011年02月03日
秋田
 今日は節分。文字通り季節の分かれ目のように暖かな日差しも差し込んでいる秋田市です。昨日今日と寒さも一段落しています。明日は立春ですもんね。・・・とはいえまだまだ春めいた様子はなかなか見当たりませんけど。


 

 数日前には正に厳冬期といった寒さ、積雪、風が猛威を振るっていました。その間はいつもの冬よりも数段厳しい日々が続いていました。今日はそのほんの数日前に撮影したガン達の写真からお届けします。



 もう昼近いというのに水路の塒で過ごしていた【マガン】の群れです。この日はもの凄い強風が吹き荒れ降雪はそれほどでもなかったのですがもの凄い地吹雪に見舞われ【マガン】達も身動きが取れない様子でした。
 きっと腹も減っていたでしょう。近くでカメラを構えている私も気になったことでしょう。それでも動くことが出来ずに・・・その場で耐えていました。(もちろんこの後直ぐに立ち去りました。)



 昼を回って風は少々収まりましたが依然として雪は降り続き、刺すような寒さの中、田んぼに【ヒシクイ】の小群がいました。積雪の多い田んぼでは餌を採ることが出来ません。近くに冬水田んぼ状態の田んぼがあるのですが道路から近いため警戒心の強い【ヒシクイ】達は近寄りません。おそらく・・・車や人が通らなくなるまでジッとこうして過ごしていたのでしょう。


 この時期に大潟村とその周辺で堪え忍んで過ごしていたガン達はあわせて2~300羽と言ったところでしょうか?もうちょっと居たのかな?いずれにしてもかなり少なかったのは間違いありません。

 よくぞ今期の極寒を耐え忍んだものです。それを考えただけで涙がこぼれてきそうです。





 昨日様子を見てきたら徐々にガンの羽数が増えているようでした。大きな群れはありませんが、観察できる場所は広がってきています。この陽気で戻ってきたガン達がいるんだと思われます。

 でもまだ大潟の田んぼには多くの雪があって落ち穂は無論のこと、畦の草もまだまだ厚い雪の下です。食べられる餌はまだまだ限られています。だからでしょうか?こんな光景を見ました。


 大潟へ向かう途中の河口に【ヒシクイ】21羽の群れが降り立ちました。田んぼが雪で覆われていて他に行く場所がなかったんでしょうか?

 それにしても・・・河口で何をするつもりでしょうか?
 休息場所を求めてやってきたのかな?

 ここで・・・何を食べるつもりでしょうか?
 まさかゴカイや貝類を食べるのかな?


 そう言えば・・・「かつては海岸でもたくさんのガンが見られた」と何かの資料でみました。ということは河口に【ヒシクイ】の群れが降りたって言うのも不思議な光景でもなかったのかも知れません。『田んぼや水路がダメなら河口があるじゃないか!』と思って行動したんだとしたら彼らは私が思うよりずっとずっと逞しいのかも知れません。