東北地域のアイコン

東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

ヨシの茎にて喰い漁るオオジュリン

2011年01月28日
秋田
 数日の間、寒さが緩み管理棟の水道も使えるようになりホッと一安心していましたが、またまた寒い日となり、数日続く模様です。道路も一旦解けてまた凍結しましたから運転しにくいことこの上なしです。週末お出かけになる方も多いかと思いますがどうか皆さん無事故でお過ごし下さい。 



 はい。今日の日記も昨日同様、現在大潟で群れが観察できている小鳥から【オオジュリン】を取り上げました。
 例年、秋の渡りの時期にはもの凄い羽数の【オオジュリン】が観察され、保護区内のとある樹に鈴なりの【オオジュリン】を見ることが出来ていましたが今期はその様な大きな群れを見ないままに冬に突入してしまいました。これまた例年、冬になったらなったで大潟村内の方々のヨシ原で群れになっている【オオジュリン】達を見かけるのですが今期は観察できるエリアがかなり限定されてしまっています。大潟で観察していると今期は【オオジュリン】の羽数が随分と寂しい気がします。


 それでもいつも巡視を行っている場所では【オオジュリン】の群れを見ることが出来ています。彼らはよくヨシの茎に止まってその中に潜む虫の卵や幼虫を食べるのですが、今回たまたまその経過を見ることが出来ましたので紹介します。


 一羽の【オオジュリン】が近くのヨシの茎に止まりました。そうやらこの場所に餌が隠れているようです。この段階では【オオジュリン】が食べようとしているポイントとその他の場所と違いはないように見えますが・・・


 2口3口食べていくと茎の中の様子が徐々に見えてきました。試しにドアップにしてみましたが・・・何かの卵のような物が見えました(割愛しましたけど・・。)


 体勢が窮屈だったのでしょうか?場所を移動してから同じ茎を更に剥くようにして食べ進めていきます。


 食べ始めから全部で10口だったと思いますが、この場所での採餌を止めて、この場所から他の茎へと触嘴を伸ばしていきました。

 4枚目の写真には【オオジュリン】が食べ散らかした(?)後がハッキリと写っています。念のため赤い←を付けておきましたのでご確認下さい。
 残念ながら何を食べていたのか迄は解りませんが・・一見何も無いように見えるヨシの茎を剥いで、何やら白い物や黒い物が付着したその皮ごと食べているようでした。以前同じような観察をしたときには茎の中からイモムシのようなモノを引っ張り出して食べていましたがこの時期にはまだ卵から孵っていないのでしょうか?その辺はよく解りませんが【オオジュリン】達にはたくさん同じようなモノが並ぶヨシ原にあって餌のありかがピンポイントで解っているようです。


 この様な特性を持っているとは言え・・・凄いですね~。野鳥達の生きる力って!!餌のありかが簡単に解っちゃうんですから・・・