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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

氷上のハヤブサ

2011年01月21日
秋田
 大潟草原鳥獣保護区管理棟の水道が凍結してしまいました・・・。氷止めもしていただいていましたし抜かりは無かったのですが水道もトイレも水が出ません。皆さんのところは大丈夫ですか?



 今日現在、大潟村をぐるっと囲む旧八郎潟の残存部は一面凍結します。今期は低温の日が続いていますから例年よりも凍結範囲が広くなっていて広い水辺が広い広い氷原になっています。

 その氷原は猛禽類の観察スポットとなっています。私も時々堤防に上がって氷原を見渡しながら大きな鳥の姿を探すのですが・・・先日南部の氷原を見渡した時、思いがけない猛禽の姿を見つけました。


 これがその時の写真です。本来であればオオワシかオジロワシが見られることを想定していたのですが、それに比べると随分と小さくて、ずんぐりとした体格に見えました。
 パッと見たときにはノスリかな?と思ったのですがよく見ると胸部から腹部にかけて明瞭は縦斑があります。しかも顔には俗に言う「隼髭」が見えています。


 トリミングしてみるとやはり【ハヤブサ】の幼鳥でした。
 【ハヤブサ】といえばシュッとした瞬発系競技のアスリートのようなイメージを持っていましたが、この時は羽を膨らませて一回り大きくなっていましたから格闘技系のアスリートのような佇まいでした。

 時々ファインダー越しに目が合うような感覚があるのですが、その眼光の鋭さにはハッとさせられます。
 この【ハヤブサ】幼鳥、恐らくは獲物になりうるモノを見つけてその様子をうかがっていたのだと思いますが、辺りを見渡すと近くには7~8羽のミコアイサの小群がいました。
 時々視線を送っていたので狙いはミコアイサでしょうが、【ハヤブサ】からしたらこの群れを飛び上がらせる必要があります。逆にミコアイサからすれば飛び上がらずに潜水すればかわすことが出来ます。お互いに得意とする”動き”が出来れば充分に勝算があるはず!!

 この両者の様子を見守りたかったのですが、此処に私がいたのでは双方に要らぬ神経を使わせそうだと思ったのと、余りの寒さに我慢できなかったので退散しました。


 【ハヤブサ】にしてみれば本来、氷上で獲物を探したり捕らえたりというのは得手では無いはずでず。もしかして【ハヤブサ】に狙いを絞られたミコアイサ達以上に追い込まれていたのは【ハヤブサ】だったのかな?なんて思ってみたり・・・。