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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

西と東の

2011年01月11日
秋田
 七草を過ぎ、3連休も明けていよいよ本格始動となった今日は通勤電車が雪のため運休。朝から慌ただしい動きを強いられ・・・いつもの3倍以上の時間をかけて事務所へ。

 こんな時、飛んでいけたら良いのに・・・と思ってしまいますが無い物ねだりにも程がありますね。



 はい。では気を取り直していつもの日記を。
 大潟村にやって来ている冬の渡り鳥たちはそれぞれお気に入りの環境があるようで広い広い干拓地内の各地に点々と散らばるようにして厳しい冬を過ごしています。そんな鳥達に会うとき、およそのメドというか傾向というのがありまして・・・例えばガン類ならば、マガンはこの時期ならば干拓地の北部から北東部あるいは南西部。ヒシクイは西部から南西部。と言った具合に大まかに過ごしている場所に傾向があります。それは猛禽類であっても同様で・・ハイイロチュウヒならば西部、オジロワシならば西部承水路沿いに多い。そしてオオワシは東部承水路に多い。という傾向があるのですが・・・今期はその傾向が少々違ってきているようです。

 特に【オオワシ】はこのところ、西部地域や西部承水路付近での観察機会が多くなっています。昨年までは『オオワシは何処に行けば逢えますか?』と聞かれれば『東部承水路の○○付近を探してみてください。かなりの確率で逢えると思います』と答えていましたが今期は『タイミングが合えば何処でもこの辺りでも・・』と答えようかと思っています。 


 保護区近くの防風林で見つけた【オオワシ】です。このエリアにいる大きな野鳥と言えばオジロワシだと思っている私は、こんなに解りやすい特長をしている【オオワシ】の成鳥を直ぐに【オオワシ】とは思えず・・・


 うっかり近づきすぎて・・・嫌われてしまいました。その存在は随分と手前から気付いていたのに『あれ?オジロじゃない・・』なんて思いながら距離を測るのを疎かにしてしまいました・・・。



 大潟村では西の西部承水路周辺ではオジロワシ、東部の東部承水路周辺では【オオワシ】というこれまでの傾向をそのまま鵜呑みにして巡視をしていたが故の残念な出来事でしたが、今期は西部から南西部に居着いている【オオワシ】がいるようで、これからも観察機会があるものと期待しています。
 ちなみに・・・いつも【オオワシ】がやって来る東部承水路にも【オオワシ】の姿があります。ということは今期は大潟村に飛来している個体が多いのか?と想像してみますが真相の程はどうなんでしょうか?いずれにしても観察機会が増えるのは嬉しいことです。