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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

ヌルデ食堂 ~アオゲラ編~

2010年12月28日
秋田
 今日は仕事納めの日という方も多いかも知れません。当事務所でも今日が仕事納めと言うことでいつもよりも念入りに掃除をして、溜まったゴミを捨て、書類の山を整理して、新しいカレンダーに交換して・・・新しい年を迎える準備が出来ました。


 はい。どうやら残念ながら・・・この日記を皆さんがお読みになれるのは新しい年になってからとなりそうです。その際、記事にタイムラグを感じるかも知れませんがご了承下さい。


 今日は昨日に引き続いて森吉山麓の某所にある『ヌルデ』の実に集まる野鳥の話。今日はレギュラー陣の中から【アオゲラ】を取り上げます。この日はなんと一度に7羽もの【アオゲラ】が集まって『ヌルデ』の実を食べ漁っていました。私自身一目でこれほどたくさんの【アオゲラ】を見たことがありませんでしたからかなりの衝撃を受けての観察となりました。

 とはいえ・・写真撮影は一羽ずつ行わなければなりません。この7羽はお互いに微妙な距離をとって採餌しているので・・・


 前にも同じようなことを言いましたが・・キツツキの仲間は木の幹や枝を突いて採餌するのはお馴染みですが決してその様なスタイルばかりで採餌するのではなく、時には地面に降りて採餌したり(これをチツツキと呼んでいます。)、この様↓に木の実を突いて直接採餌したり(これをミツツキと呼んでいます。)するのです。

 この【アオゲラ】は仲間の中でも一目置かれる存在だったのでしょうか?特等席と思われる場所を”でん”と確保してじっくりと『ヌルデ』の実を啄んでいました。


 穂の上に直接陣取って実を啄みます。


 見た目には貪るようにして食べているように見えましたが意外にも一粒一粒嘴で咥えて食べているようでした。
 この辺りは昨日のイカルとは異なった食事スタイルです。両者の嘴を比べてみると両極端なほど違いますよね?太くて短くて重厚なイカルの嘴と、細くて真っ直ぐで長い【アオゲラ】の嘴。その嘴の形状がそのまま食事スタイルの差となっているようです。


 そして・・忘れてはいけないのが【アオゲラ】を初めとするキツツキの仲間が木の幹に捕まる際に自分の身体を安定させるために尾羽を押しつけるようにして両足と併せて3点支持の状態で身体を支えること。


 この様に細い枝の上でもしっかりと尾羽を使って3点支持状態で身体を安定させていました。【アオゲラ】の採餌を観察していると尾羽はバランス装置としての役割だけではなく第3の足とでも言うべき存在だと感心します。野鳥の身体って本当に良くできているものだ!と感心し、野鳥達はその良くできた機能をしっかりと活用して生活しているものだと感心します。

 野鳥達を観察していると・・・私たちも自分の身体の機能を充分に活かして生活しなくてはいけないような気がしてきます。




 さて、これにて本年のアクティブレンジャー日記は終了です。次回は来年と言うことで・・これまでと同様お付き合いいただけましたら幸いです。

 では皆さん。よいお年をお迎えください。