アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]
カルガモの翼鏡
2010年12月16日
秋田
12月も中盤を過ぎ後半へ突入。2010年も残すところ2週間あまりとなりました。街を歩けばクリスマスソングが聞こえてきます。年賀状の受付も始まりました。年の瀬って感じですね~
はい。それでも私はいつもと変わらず、地道に積み重ねている観察知見を元にした日記を書いていきます。
今日は昨日に引き続き【カルガモ】の話題です。
このところ秋田の愛鳥家の方々から『普段何気なく流して見ていた野鳥達もちゃんと見ないとね!』なんて声を聞きます。色々とキッカケはあるようですがその意見には私も全くの同感です。例えば今日取り上げた【カルガモ】も普段は『なんだ・・カルか・・』と言われがちな存在ですが、細かく観察すると『おぉぉ~』と思うことがたくさんあります。
今回こうして【カルガモ】を取り上げるにあたって再度図鑑に目を通して見ると、知らない事がいかに多いか思い知らされました。
例えば・・・「上尾筒をキチンと観察すると雌雄の判別が出来るかも?」とか・・「身体を覆う茶褐色の色合いは身体の後方に行くほど濃くなる傾向がある」とか「顔の黒線が特徴的だがオス♂の方がくっきりしている傾向がある」なんて情報は全く眼中にありませんでした。
【カルガモ】と言えば「雌雄同色」で「夏も冬も羽の外見が変わらない」と曖昧な感覚で見ていましたが、既述の情報をもって観察すると【カルガモ】の群れを見る感覚も変わってくると云うものです。
そして・・カモの特長でもある翼鏡も「青でその上下に細い(マガモに比べて)白いラインがあり、中にはラインが無いものもいる」と思いこんでいました。
水路に群れていた【カルガモ】を観察していると羽ばたきをしそうな個体がいたので連続してシャッターを押しました。
タイミング良く翼鏡の状態が解る写真が撮れていました。
よく見ると・・・確かに翼鏡は複雑な青色をしています。これは青色の色素があって青く見えているのではなく構造色で青く見えているのだからその時々で違って見えるのはよくあることです。でもその上下の白いラインは随分と幅広でクッキリと見えています。「白いラインは細く、中には無いものも」・・なんて情報はこの個体には当てはまりません。パッと見てマガモのそれと同じくらいはあります。
残念ながら上尾筒は見えていませんが、身体の後方にいくほど羽色が濃くなるというのは確かに認めることが出来ます。
これまでの観察はなんとも薄っぺらい観察だったと反省しきりです。正直カモの群れの中に【カルガモ】を見つけても流していていましたし、遠くにいても3列風切の白線が目立つので識別にも困ることが無かったのも理由としてあげられます。でもそれぞれを対比して観察したり、一つの個体をじっくり観察するとまだまだ驚きがありそうです。これからは【カルガモ】も注意して観察しようと思います。
動物や鳥に造詣の深いあるお方が『不知不愛』という言葉を解説してくれました。「その動物や鳥の事をよく知らないから愛せないんだ。その動物や鳥のことをもっともっと深く知れば愛情もきっと深まる。」といった意味合いでした。その時には希少で情報の乏しい種についてお話しいただいている中での解説でしたが、こうして身近な野鳥についてもあてはまる深い言葉だと思い返しています。
はい。それでも私はいつもと変わらず、地道に積み重ねている観察知見を元にした日記を書いていきます。
今日は昨日に引き続き【カルガモ】の話題です。
このところ秋田の愛鳥家の方々から『普段何気なく流して見ていた野鳥達もちゃんと見ないとね!』なんて声を聞きます。色々とキッカケはあるようですがその意見には私も全くの同感です。例えば今日取り上げた【カルガモ】も普段は『なんだ・・カルか・・』と言われがちな存在ですが、細かく観察すると『おぉぉ~』と思うことがたくさんあります。
今回こうして【カルガモ】を取り上げるにあたって再度図鑑に目を通して見ると、知らない事がいかに多いか思い知らされました。
例えば・・・「上尾筒をキチンと観察すると雌雄の判別が出来るかも?」とか・・「身体を覆う茶褐色の色合いは身体の後方に行くほど濃くなる傾向がある」とか「顔の黒線が特徴的だがオス♂の方がくっきりしている傾向がある」なんて情報は全く眼中にありませんでした。
【カルガモ】と言えば「雌雄同色」で「夏も冬も羽の外見が変わらない」と曖昧な感覚で見ていましたが、既述の情報をもって観察すると【カルガモ】の群れを見る感覚も変わってくると云うものです。
そして・・カモの特長でもある翼鏡も「青でその上下に細い(マガモに比べて)白いラインがあり、中にはラインが無いものもいる」と思いこんでいました。
水路に群れていた【カルガモ】を観察していると羽ばたきをしそうな個体がいたので連続してシャッターを押しました。
タイミング良く翼鏡の状態が解る写真が撮れていました。
よく見ると・・・確かに翼鏡は複雑な青色をしています。これは青色の色素があって青く見えているのではなく構造色で青く見えているのだからその時々で違って見えるのはよくあることです。でもその上下の白いラインは随分と幅広でクッキリと見えています。「白いラインは細く、中には無いものも」・・なんて情報はこの個体には当てはまりません。パッと見てマガモのそれと同じくらいはあります。
残念ながら上尾筒は見えていませんが、身体の後方にいくほど羽色が濃くなるというのは確かに認めることが出来ます。
これまでの観察はなんとも薄っぺらい観察だったと反省しきりです。正直カモの群れの中に【カルガモ】を見つけても流していていましたし、遠くにいても3列風切の白線が目立つので識別にも困ることが無かったのも理由としてあげられます。でもそれぞれを対比して観察したり、一つの個体をじっくり観察するとまだまだ驚きがありそうです。これからは【カルガモ】も注意して観察しようと思います。
動物や鳥に造詣の深いあるお方が『不知不愛』という言葉を解説してくれました。「その動物や鳥の事をよく知らないから愛せないんだ。その動物や鳥のことをもっともっと深く知れば愛情もきっと深まる。」といった意味合いでした。その時には希少で情報の乏しい種についてお話しいただいている中での解説でしたが、こうして身近な野鳥についてもあてはまる深い言葉だと思い返しています。