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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

斜め45度

2010年12月06日
秋田
 12月言うのにそれほど気温が下がらず、この時期としては薄着での行動が可能となっているここ数日の秋田市内です。しかし明日以降各地で平年並みの気温に戻るのだとか・・・



 さて、普段は山岳地等に生息していて冬になると平地にやって来る野鳥がいます。そんな彼らを「漂鳥」と呼ぶそうですが、今、大潟ではそんな漂鳥たちの姿をたくさん見ることが出来ます。

 今日ご紹介する【キクイタダキ】もそんな漂鳥のひとつです。
 【キクイタダキ】は普段、森吉山麓などの山岳地に生息しています。その他各地の里山等にも生息しています。

 大潟にいる【キクイタダキ】が普段は何処で暮らしているのか解りませんが確かに冬になると増えてくるのです。先日、大潟草原鳥獣保護区の管理棟の目と鼻の先に広がる松林にヒガラ・シジュウカラの混群がいました。しばらく観察していると末の枝先にちょっと羽色の異なる小さな小さな小鳥を見つけました。

 ちょこまかと忙しなく動くその小鳥を双眼鏡で追いますがなかなか姿をじっくり見せてはくれません。


 ようやく姿を見せてくれたと思ったら・・・後ろ姿でした。


 それでも枝先で動き回るのでこちらを向いてくれるのを期待して暫く見ていましたが・・・時々チラッと目が見えるくらい・・・。


 また動いて、飛んでいってしまうかな?と思ったら最後に一度振り返ってくれて下斜め45度からその可愛らしい姿を見せてくれました^^

 ようやく魅せてくれたその姿に嬉しさと同時に何か不思議な感覚を感じました。斜め45度から見る顔には何か特別な力でもあるのでしょうか?

 おっと、話がちょっと違う方向へ行きかけてます・・・もとい!!



 これまでの大潟草原鳥獣保護区での【キクイタダキ】の観察記録を見ると冬期に散見される程度で、夏の間には観察が途絶えます。その年によっては春の渡りの時期に見られたり、厳冬期に見られたりしますが、どうやら決まって見られる時期というのが無いようです。観察範囲を大潟村全域に広げるともう少し違った傾向が見られるのかも知れませんが今のところそういったデータがありません。


 一昨年2月、友人が森吉山中で【キクイタダキ】の鳴き声を聞き、それを聞いて私と友人数名が目を凝らしたら姿をチラッと見ることが出来ました。その時はこんな厳冬期にこんな山奥に【キクイタダキ】がいるんだ?と思い、中には移動しないで山岳地帯に留まる個体もいるのかな?と思った記憶がありますが、実際のところどうなんでしょうかね?
 森吉の奥山地域でも繁殖地よりは気象条件が厳しくはなく、そこで冬を乗り切っていたのか?はたまた当時思った通り移動しないで留まっていたのか?大潟草原鳥獣保護区で冬期に観察される【キクイタダキ】はどこからやってきたのか?知りたいことは山ほどありますね・・・。