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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

ひっそりと立つマンダの巨木

2010年11月19日
秋田
 冬が近づき日に日に辺りの景色が移りゆく頃のよく晴れた朝は空気が澄んでいて遠くまで見渡せ、寒さの中にもキリリとした心地良い感覚を覚えて元気が出ませんか?今朝の秋田市内はそんな朝でした。


 さて昨日に引き続き”巨木”の話です。

 何度も言うようですが・・・私の中でパワースポットと言えば”巨木”と即答するほど大きな力を分けて貰える存在だと思っています。
 昨日は簡単には行けない巨木を取り上げたので今日はシーズン中であれば誰でも行ける巨木をご紹介します。


 これが今日取り上げる【マンダ】の巨木です。【マンダ】とはシナノキの仲間の地方名です。


 この木には思い出がありまして・・・
 地元でガイドをされている大先輩とこんな話をしました。
大先輩:「クマゲラ保護センターから上に上がる歩道沿いにある大木知ってるか?」
私:「はい。あの左に曲がってちょっと行った所にある木ですよね?」
大先輩:「じゃあ、あれ何の木か知ってるか?」
私:「はい【マンダ】の木ですからシナノキですよね?」
大先輩:「う~ん・・・それでは50点だな!!」
私:「?????」
 とこんな会話を今でも鮮明に覚えています。50点と云われたのは地方名の【マンダ】は正解だけど標準和名の「シナノキ」が不正解だったというわけです。そう言われてからその場所に足を運んで丹念に葉や茎などを観察しましたが遂に結論が出ず・・・。樹木に詳しい仲間に現地に来てもらって先の話をしました。
 すると・・・ルーペを使ったりして入念に葉を見て「これは【オオバボダイジュ】じゃない?」と言ったのです。
 確かに自分で調べた時も何かに「よく似ているので識別が難しい・・」といったようなことが書いてありました。でも仲間に教えて貰ってとってもスッキリした事も思い出します。

 それ以来・・・”菩提樹に抱かれて”過ごす時間が多くなりました。弁当を食べたり、野鳥を整理したり、別に此処でなくても良いのですが何か惹かれるモノがあって時々足を運んでいました。今はこうして雪景色に変わっていますが新緑から深緑、そして紅葉、雪景色と何度この懐へ足を運んだ物か・・・


 ちなみにこの【マンダ】【オオバボダイジュ】の巨木はネイチャートレイルと呼んでいる歩道沿いにあって気軽に行くことが出来ます。人気のコースからはそれた道なので静かな時間を過ごすことが出来ますが、伸ばす足もほんの僅かで辿り着くことが出来ます。


 個人的には「今度行くときは本を一冊持って行こう」と決めています。皆さんも機会がありましたら是非この巨木まで足を伸ばしてみて下さい。

 一応、夏のある日の【マンダ】【オオバボダイジュ】も載せておきます。これを見て「なんか良さそう!」とか「行ってみようかな?」なんて思って下さる方がいたら幸いです。