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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

磐梯朝日国立公園パークボランティア合同研修会開催

2010年11月10日
裏磐梯
紅葉の見頃も過ぎ、標高の高い山々ではうっすらと雪化粧をする季節になってまいりました。先日も、磐梯吾妻スカイラインを経由し、集団施設地区がある浄土平へ行ってきましたが、道路脇や湿原、山肌の一部に雪が残っており、冬の到来を感じさせます。


さて、先日11月6日(土)~7日(日)にかけ、磐梯朝日国立公園内の担い手であるパークボランティアさん方の研修会を、裏磐梯地区と出羽三山地域で活動されている羽黒地区と合同で開催いたしました。会場は、休暇村裏磐梯の敷地に併設する、裏磐梯野営場管理棟内の多目的ホールにておこなわれました。

こうした合同研修会を実施する目的としては、パークボランティア一人一人に対して、自然保護活動等の資質の向上を図るとともに、今後の活動に活かせるような技術や知識を習得する場として、現地自然保護官事務所が企画し実施します。今回は、羽黒自然保護官事務所からの呼びかけもあり、実に15年ぶり(?)に合同で研修会を実施する運びとなりました。

研修会当日は、大変忙しい時期にも関わらず、大勢のPVの方々が集結。
裏磐梯地区9名、羽黒地区10名と総勢19名の参加を得ました。


真剣な面持ちで研修に望むPVの皆さん

研修会の講義では、国立公園で活動するために必要な知識として、日本の国立公園の仕組みや自然公園法、パークボランティアや自然公園指導員の制度について、裏磐梯自然保護官事務所の福地自然保護官より「国立公園の概要」と題し、講義していただきました。

その後、福島県自然保護協会理事の横田清美氏を外部講師としてお招きし、「自然観察会の進め方」というテーマで、講義と野外実習がおこなわれました。


野外実習の一コマ(シラカバの木を前にして、どのような自然解説ができるでしょうか?)

野外実習では、各PVが観察材料を見つけ、それについてどんな工夫をこらして、解説活動をおこなうのかを、他のPVが参加者として評価し、よりよく解説するためのアドバイスを講師の横田氏が適宜、指導してくださいました。
このような自然解説活動では、単に植物の名前や特徴を話すだけでなく、匂いや手触り、見た目、味(危険なものでないとわかっていれば‥)など、人間に備わっている五感をフルに活用すると、より楽しく印象に残る自然解説活動がおこなえるようです。
それにしても、PVの皆さんはそれぞれ解説方法が個性的で、とても参考になりました。


講義後は、各地区の活動発表と意見交換会をおこないました。
同じ国立公園内にいながらも、両地区ともに、異なる活動状況やその様子を伺い、刺激にもなったでしょうし、参考になることも多々あったのではないでしょうか。
以上で、初日の研修会は終了です。


2日目は裏磐梯PVによる自然散策会を実施しました。当日は気持ちの良い晴天にも恵まれ、レンゲ沼・中瀬沼探勝路を約1時間半かけて散策しました。日曜日で天気も良いことから、カメラを手にした利用者の方も多く、裏磐梯全体が賑わっている感じでした。
残念ながら紅葉はピークを過ぎていましたが、まだ一部カエデ類が綺麗に色づいているところもあり、ささやかな紅葉が楽しめたのではないでしょうか。


観察会の様子(木に何か動物の巣らしきものがあるようです)

さて、短いようで長い研修会でしたが、また来年度も機会があれば、両地区の発展そして交流のきっかけとして、開催できればと思います。
今回、合同研修会に参加してくださいました皆様、お疲れ様でした。
また、合同研修会を開催するにあたり協力してくださった方々、PVの皆様、本当にありがとうございました。