アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]
オオセッカの足環
2010年11月01日
秋田
このところ随分と日が短くなってきて、勤務時間内に事務所から窓の外を覗くと町並みの向こうに夕日が見えます。なので勤務時間が終わる頃には既に日は落ちて空は宵闇に包まれています。皆さんは秋の夜長をいかがお過ごしですか?
このところなんやかんやとやることが多く時間が取れず(勿論言い訳です。ハイ!)・・・今日はちょっと時間を遡って夏の出来事をお伝えします。
実は、今日書く日記は自分では書こうという気にならず・・お伝えしていなかったのですが最近、『そろそろあの【オオセッカ】の足環について書いたら?』とか『せっかくの貴重な事例なんだから書くべきなんじゃない?』とおしゃって下さる方々がいらっしゃいましたので、この場を借りて事例報告として書こうと思います。
今期も大潟草原鳥獣保護区に【オオセッカ】が飛来しました。大潟草原鳥獣保護区ではかつてたくさんの【オオセッカ】が見られ、国内を代表する繁殖地でもありましたが、時の流れに植生の推移を任せていたところ、草原内が【オオセッカ】の好む環境からかけ離れていき、次第に生息数を減らし、一時期生息の確認も途絶えていました。
それを平成13年度以降、様々な方法で植生の改善に取り組んで来ました。その甲斐もあってここ数年はオオセッカが長期間に渡って生息するようになり、今期ついに28年ぶりに繁殖が確認されました。
これには関係者一同大いに喜び、これまでの取り組みに一定の手応えを感じているところです。
今日、取り上げる【オオセッカ】はその繁殖に関わったオス♂の個体です。
大潟草原鳥獣保護区の特別保護地区で囀り飛翔を繰り返す【オオセッカ】のオス♂の右足に足環を認めたのは6月の下旬でしたでしょうか・・・。
初めて、足環を確認した日から「この足環に記されている文字を読み取れば大きな情報が得られるんじゃないか?」と思いはじめ、どうにかこの文字を一部だけでも読み取れないものか?と思いながら過ごす日が続きました。
しかし、足環はそれ自体がとても小さな物です。小さな【オオセッカ】の足に装着されている訳ですからね。そこに記されている文字は更に小さな物です。どうにかならないか?とは思いながらも現実には、「無理かな~」と思いながら、他の調査にあたっていました。
ある日のこと・・・その日は「○○の調査をする」予定でした。朝からその為に色々と準備をして、様々な下調べをしてその調査に向かいました。
しかし、相手は自然界に生きる野鳥です。こちらの思うように事態が推移しないこともあります。その日も予定していた調査が出来ない事態になってしまいました。その日一日かける予定の調査が出来なくなって・・・複雑な思いを抱きましたが、切り替えて「せっかく時間が出来たんだから今日は足環に注目してみよう」と言うことにしました。
その時に撮った写真がこちらです↓。
何度も言いますが足環自体が小さな物なので、それを撮影するのはとても困難でしたがどうにか、運良く全ての文字を読み取る事が出来ました。写真をクリックすると拡大されますのでご覧下さい。
この【オオセッカ】の足環には以下のように書かれていました。
1段目 KANKYOSHO
2段目 2AA JAPAN
3段目 80067
これにより、この【オオセッカ】が何時何処でこの足環を装着されたかが解りました。
装着された日 2008年8月23日
装着された場所 青森県北津軽郡中泊町中里若宮岩木川
そしてその時点では『幼鳥』で性別は『不明』とされていました。それが今回、大潟草原に飛来し、そこで繁殖に成功しました。
この様に「観察・写真撮影」で足環の情報を読み取るという事例は少ないそうで、更に【オオセッカ】のような小鳥ではほとんどその事例はないのだとか・・・。
長くなりましたが・・・以上報告でした。
このところなんやかんやとやることが多く時間が取れず(勿論言い訳です。ハイ!)・・・今日はちょっと時間を遡って夏の出来事をお伝えします。
実は、今日書く日記は自分では書こうという気にならず・・お伝えしていなかったのですが最近、『そろそろあの【オオセッカ】の足環について書いたら?』とか『せっかくの貴重な事例なんだから書くべきなんじゃない?』とおしゃって下さる方々がいらっしゃいましたので、この場を借りて事例報告として書こうと思います。
今期も大潟草原鳥獣保護区に【オオセッカ】が飛来しました。大潟草原鳥獣保護区ではかつてたくさんの【オオセッカ】が見られ、国内を代表する繁殖地でもありましたが、時の流れに植生の推移を任せていたところ、草原内が【オオセッカ】の好む環境からかけ離れていき、次第に生息数を減らし、一時期生息の確認も途絶えていました。
それを平成13年度以降、様々な方法で植生の改善に取り組んで来ました。その甲斐もあってここ数年はオオセッカが長期間に渡って生息するようになり、今期ついに28年ぶりに繁殖が確認されました。
これには関係者一同大いに喜び、これまでの取り組みに一定の手応えを感じているところです。
今日、取り上げる【オオセッカ】はその繁殖に関わったオス♂の個体です。
大潟草原鳥獣保護区の特別保護地区で囀り飛翔を繰り返す【オオセッカ】のオス♂の右足に足環を認めたのは6月の下旬でしたでしょうか・・・。
初めて、足環を確認した日から「この足環に記されている文字を読み取れば大きな情報が得られるんじゃないか?」と思いはじめ、どうにかこの文字を一部だけでも読み取れないものか?と思いながら過ごす日が続きました。
しかし、足環はそれ自体がとても小さな物です。小さな【オオセッカ】の足に装着されている訳ですからね。そこに記されている文字は更に小さな物です。どうにかならないか?とは思いながらも現実には、「無理かな~」と思いながら、他の調査にあたっていました。
ある日のこと・・・その日は「○○の調査をする」予定でした。朝からその為に色々と準備をして、様々な下調べをしてその調査に向かいました。
しかし、相手は自然界に生きる野鳥です。こちらの思うように事態が推移しないこともあります。その日も予定していた調査が出来ない事態になってしまいました。その日一日かける予定の調査が出来なくなって・・・複雑な思いを抱きましたが、切り替えて「せっかく時間が出来たんだから今日は足環に注目してみよう」と言うことにしました。
その時に撮った写真がこちらです↓。
何度も言いますが足環自体が小さな物なので、それを撮影するのはとても困難でしたがどうにか、運良く全ての文字を読み取る事が出来ました。写真をクリックすると拡大されますのでご覧下さい。
この【オオセッカ】の足環には以下のように書かれていました。
1段目 KANKYOSHO
2段目 2AA JAPAN
3段目 80067
これにより、この【オオセッカ】が何時何処でこの足環を装着されたかが解りました。
装着された日 2008年8月23日
装着された場所 青森県北津軽郡中泊町中里若宮岩木川
そしてその時点では『幼鳥』で性別は『不明』とされていました。それが今回、大潟草原に飛来し、そこで繁殖に成功しました。
この様に「観察・写真撮影」で足環の情報を読み取るという事例は少ないそうで、更に【オオセッカ】のような小鳥ではほとんどその事例はないのだとか・・・。
長くなりましたが・・・以上報告でした。