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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

あるオオバンの一コマ

2010年10月12日
秋田
 近頃、東北の山ヤさんの間では「山の標高が変わったんだってね?」という話題がホットです。森吉山鳥獣保護区の名にもなっている「森吉山」も1454.18mから1454.28mへと標高が改訂されました。興味のある方は国土地理院のHP等でご確認下さい。



 さて、皆さん3連休はいかがお過ごしになりましたか?東北地方は日曜日に激しい雨が降ってお出かけにはイマイチだったかも知れませんが、各地の観光地は賑わっていたみたいですね?
 野鳥の方も続々と冬の使者達がやってきているようで・・・鳥を見て良いのやら紅葉を楽しむべきなのか?迷ってしまうところです。もう一つ身体があればいいのに・・・なんて思ってしまいます。

 なんて思っていても仕方がないので地に足を付けて、地道に観察を繰り返していくことにします。
 と、言うことで・・・。今日は大潟の周囲に広がる承水路で年間を通じて観察できる【オオバン】を取り上げます。
 近頃の【オオバン】は今年生まれた若鳥達も大人並みに成長し、自分で餌を採り独り立ちしているようです。そして繁殖期には各地に散らばっていた【オオバン】達が”群れ”を作り始めています。この時も約20羽程の群れが承水路で採餌したり、羽繕いしたりして過ごしていました。

 その中から、とある若い個体が入念に羽繕いしているときの様子が面白かったのでお伝えします。
 時間にしてどれくらい過ごしたでしょうか?目に当てた双眼鏡が重く感じ始め、やや疲れが出てきていたので相当な時間が経過していたと思います。菱が密生する承水路の上で、それはそれは入念に羽繕いをする【オオバン】がいました。その時の様子も撮影したのですが・・・今回は割愛します。

 お腹、背中、首、下腹部、左右の翼を繕い、最後に頭を掻き出しました。それも時間をかけて何度も何度も・・・。そのうち気持ちよくなったのでしょうね?口を開けて如何にも気持ちよさそうです↓。


 なんか声を出していそうな雰囲気ですよね?そして表情もイイ!!


 頭掻きが終わると今度は翼をばたつかせて仕上げの羽ばたきをします。これもまた通常それほど時間をかけて行わないようなイメージでしたが、緩急を付けて何度も何度も羽ばたいていました。
 

 通常、これで一連の羽繕い動作は終了。ですが・・・・

 
 実は、身体を羽繕いしている時から、この【オオバン】は身体にくっついた菱の実を気にしていたのです。嘴でくわえて引っ張ったり、はじいたりしながら菱の実を身体から落とそうとするのですが余程がっちりくっついていたようです。



 それまで何度も試みても落ちなかった菱の実を最後に力一杯引っ張っていました。



 結果:取れず。


 【オオバン】は諦めて、身体に菱の実を付けたまま泳ぎ出しました。この後、菱の実がいつまでくっついていたのか?分かりませんが、【オオバン】は菱の生息域拡大に一役買ったことになりそうです。



日本のいのち、つないでいこう!【COP10まで6日前】
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