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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

地味なカモたちに苦戦

2010年10月04日
秋田
 先日、私にとっては雲の上にいらっしゃるような方から、メールを頂きまして近頃観察された渡り鳥についての情報を頂きました。また友人達からも様々な情報を頂けるようになりました。これは大変に嬉しいことです。観察者にとって情報を得ると言うことは自分の足でその場に言って自分の目で見た情報を得る事ですから情報の確実性たるや・・・そんな情報を惜しげもなく頂けるなんてなんて恵まれた環境にいるのかと有り難く感じます。

 自分でも秋田県北部の小友沼を見てきましたが既にマガン中心の群れが到着していて近くの水田で採餌しています。その数既に数百羽、まだまだ迫力には欠けますがガンの季節が来たんだなぁ~と実感するには充分でした。




 さて、例年大潟村にガンの群れが飛来するのは10月下旬から11月上旬頃です。それも保護区ではなく大潟村の北部に飛来する事が多いようです。このところの気ぜわしさにかまけて足が遠のいてしまっていますが気になって仕方ありません。

 しかし、そんな興味本位の事ばかりもしていられず・・・現実には承水路などに飛来したカモたちのカウントや識別に多くの時間を割いています。カモのオス♂達はそれぞれ特徴的な綺麗な羽をしているのですが、ご存じのようにこの時期はエクリプスという地味な状態となっていて識別に苦労しています。

 しかもカモたちは群れでやって来るのが通常で、その中に数羽の異なる種が混じっていることは珍しくありません。
 私の場合、パッと見て一番種類の多い種を先ずは見当付けて、群れ全体の数をカウントする。その後入念にチェックしていって主体となる種ではない種をカウントしていき、その数を総数から差し引く。といったやり方をしていますが・・・これが毎回毎回上手くいくわけでもありません。採餌している時などは常に動き回っていますし、水中に潜ってしまう個体がいたりとなかなか正確な数を掴むのは難しい上、天敵襲撃や人間の接近などによって群れが一斉に飛び上がってしまってカウントが出来ないなんて事も・・・。
 また、特にこの時期のカモの場合、カウントは出来てもその群れの中にいる少数派の識別にかなりの時間を要することもよくあります。

 先日、西部承水路で観察したカモの群れです。こうして集団で採餌しているとちょこまかと動き回って・・・カウントもスピード勝負になります!そして概数を得てから他の種が混じっていないか?チェックすることに・・・。


 西部承水路に飛来し、集団で採餌するカモの群れ。一見して【コガモ】、【マガモ】が多いようでしたが・・・


 中には悩ましい個体も居て・・・写真右下で顔を上げている個体などは未だに何だったのか?釈然としません・・・。


 
 環境省では9月から、全国各地で「渡り鳥の飛来状況」の確認調査をし、そのデータを公表しています。大潟草原のその中の一つとして鳥獣保護区管理員さんを中心に調査を実施しています。こちらのサイトをご覧下さい。各地の情報がご覧頂けます。
「渡り鳥の飛来状況」平成22年秋期~


日本のいのち、つないでいこう!【COP10まで14日前】
生物多様性ホームページ http://www.biodic.go.jp/biodiversity/
COP10支援実行委員会 http://www.cop10.jp/aichi-nagoya/