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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

体感!子どもパークレンジャー (赤石川:1日目)

2010年09月10日
白神山地
9月を迎え、青森もやっと涼しさを感じられる季節になりましたがいかがお過ごしでしょうか?
西目屋自然保護官事務所も、時折吹く涼やかな風に癒されながらすごしています。

さて、夏を振り返る意味も込め、当事務所が行ったイベントを数回に分けて報告したいと思います。

まずは、平成22年7月31日から8月2日までの2泊3日で行った【体感!子どもパークレンジャー 白神山地赤石川自然と文化キャンプ(以下、JPRキャンプ)】について報告したいと思います。

JPRキャンプでは、世界遺産白神山地の自然と人々の暮らしの関係を、様々な自然体験、文化体験を通し、白神山地がどのように守られてきたのかを学びます。その学びを受け白神山地の山、川、海とつながる自然の保全と利用を考え、自然と文化を将来につないで行くことを目的に行っています。

7月31日から8月2日までの2泊3日の【白神山地赤石川自然と文化キャンプ】では、古くからマタギの文化が息づく赤石川流域を舞台に行いました。
キャンプの中では、マタギ文化を継承する吉川隆さんをゲストに迎え、自然や生活体験から、白神と人とのつながりを学びました。さらに、白神山地から流れ出た赤石川が日本海の海の豊かさにつながることも合わせて学びました。

では、今回の日記には、このキャンプの1日目の活動について報告したいと思います。

まずは、7月31日の朝。
元気いっぱいに弘前駅に集合!その後岩木山を片手に鰺ヶ沢町方面に移動。
最初の目的地、鰺ヶ沢町の白神山地ハロー白神キャンプ場に到着。到着後、開会式を行い、今回のゲストである『吉川隆さん』を紹介。

紹介後、赤石川の上流域にある「ブナの巨木」や「くろくまの滝」まで翌日の登山を想定した山歩き。「ブナの巨木」の太さを測ると・・・なんと約5.4m。小学4年生の男の子4人が、手をつないでやっと囲める太さでした。そんな巨木前で記念写真をパシャリ。



巨木ブナ photo 2010.7.31


駐車場まで戻って昼食。お弁当を食べようとしていると、なんと茂みの中からマムシが登場。しかし、吉川さんに捕まり・・・あっという間に・・・。お腹を捌(さば)かれ、皮をはがされ、丸裸になってしまいました。見ていた子ども達もあっという間の技に心を奪われ、目の離せない瞬間の連続でした。
中には、マムシに怖さを感じた子どもいましたが、命を無駄にしないことや重要な栄養源になることなど知った上で、マムシへの怖さは、興味に変わっていったようでした。


命の学習 photo 2010.7.31

その後、草木や石を使って遊ぶ、草や土の感触を確かめ、遊びを通して、生物の食物連鎖や繋がりについて学びました。
なんと自分の顔より大きな葉っぱを見つけて仮面を作成。はやりの仮面◇イダーにそっくり?な仮面のできあがり。ちょっと強そうに見えませんか?


白神ライダー photo 2010.7.31

夕食後は、マタギの吉川さんに、マタギの仕事や猟の経験、ツキノワグマとであった時の体験談など貴重なお話を伺うことが出来ました。
本やテレビの中でしか見聞きできない体験を、実際にクマに受けた傷や剥製(はくせい)に直にふれることができ、子ども達の目もツキノワグマのように丸くなり、何かを感じているようでした。


マタギのお話 photo 2010.7.31

キャンプ地に戻ってナイトハイク、お目当てのカブトムシやクワガタは見ることが出来ませんでしたが・・・。なんと蛍の乱舞を観察。観察するには遅い時期でしたが、それでも手にとって蛍の発光を観察することができ、蛍の光に命の輝きを見ることが出来たと思います。
その後は、就寝の時間でしたが、言うまでもなく、アブと暑さと高まった気持ちでなかなか寝付けない夜になりました。