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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

連結ノシメトンボ

2010年09月10日
秋田
 9月も早10日となりました。空を見上げるともうそこには秋の装いの雲が見られるようになってきました。私たちは自分たちの入り場所がまだまだ暑いから夏の終わりの実感に乏しいところですが、鳥達は空を見て渡りを始めているのでしょうかね?


 「空を見上げる」と言えば・・・童謡『あかとんぼ』に唄われているアカトンボを思い浮かべます。そこで今日は【ノシメトンボ】を取り上げます。
 このところ空を見上げるとアカトンボ達がたくさん飛んでいるのが目に入ります。それは特に「見よう」という意思に関係なく目に入ってくるほど。何だか『秋だな~』なんて思う光景です。

 そんな日が続いている中、大潟では連結しているアカトンボが目立つようになってきました。でも飛びものの撮影は私にはハードルが高すぎます。何処かに止まってくれるペアは居ないか?と探していると・・・中にはそんな状態でもモデルをつとめてくれるペアがいました。しかも連結しているだけではなく交尾している最中です。(なので・・実は私など眼中に無いだけでしょうけど・・・)


 さて、この【ノシメトンボ】のペアですがどちらがオス♂でどちらがメス♀なのか?ちょっと解りにくい体勢をしていますが・・・左上がオス♂で右下がメス♀です。

 トンボの交尾というのはちょっと変わったやり方をするそうで・・・
 まずオス♂は交尾をする前に腹端にある交尾器(あるいは性器)から腹部上方にある副交尾器(あるいは副性器:以下省略)と言う場所に精子を移します。そうしてスタンバイを済ませてから交尾に移るわけですが、その時、写真のようにオス♂は尾角でメス♀の頭を上から挟むように捕まえて、メス♀は腹を曲げてオス♂の副交尾器から精子を受け取ります。これがトンボの交尾のスタイルなんだそうです。


 オス♂がメス♀の頭を挟み込んで捕まえているところをアップにしてみました。かなりがっちり固定されている様にも見えます。この状態で連結して飛ぶんですから確かにがっちりと固定する必要がありますよね??


 さてさて、今回は「連結の状態をよく見てみたい」と思っていたら想定外に交尾の場面を見ることが出来ました。それにしてもトンボの交尾ってちょっと変わってますよね?図鑑などをみると『交尾の形態が他の昆虫と最も異なる特長』と書いているものもあります。それだけ独特のスタイルで行われるということですね。そして幸運にもこうしてまた命が繋がる一場面に出会うことが出来ました。



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