アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]
手入れは必要
2010年09月08日
秋田
台風の進路を心配していましたが、温帯低気圧に変わって秋田県内ではほとんど影響もなかったということでホッとしているところです。それでも台風に伴う前線の影響で激しい雨が降ったところもありました。このところ秋田では『最近雨が降ればイッパイ降るし暑い日には参ってしまうくらい暑いし・・・極端だな~』という会話が日常化しています。
今日は久しぶりに大潟での話し。このところ・・森吉での話題ばかり続いていましたからね。その間に大潟でも季節が移ろい、鳥達の様子も随分と変わってきました。先日はコガモやマガモのカモの群れ第1陣(?)の飛来を確認しました。まだまだ9月の初旬ですがもうカモの姿が見られるとは・・・
先ずは・・この写真をご覧下さい。大潟草原の管理棟からみて南側にある水辺を写した物です。撮影日は2007年9月11日です。
次に・・こちらの写真をご覧下さい。こちらも同じ水辺を撮影した物です。厳密にはやや角度がずれているのですが・・・水辺の様子の違いが一目瞭然だと思います。
上の写真は・・当地が鳥獣保護区の特別保護地区であり、当時は特別保護指定区域となっていたこともあり自然のままに・・何も手を加えずに長い時間を経過していた状況を撮影した物です。
それに対して下の写真は、かつては多くの水鳥が泳ぎ、カイツブリなどが繁殖していた水辺を取り戻そうと繁茂しまくっていたヒメガマを3年がかりで徹底的に除去した後の様子を撮影した物です。
昔を知る人達から聞くかつての大潟草原内の水辺の様子にはまだまだ遠いようではありますが失われた水辺が人の手によって復活してきているのです。
そうして水辺が現れてくるとそこを利用する野鳥達が格段に増えてきています。かつてはオオヨシキリなど数少ない野鳥の姿しかなかった場所に、カワセミが採餌に訪れ、アオサギ・ダイサギ・ゴイサギが日中を過ごす場所となり、先日は【カルガモ】の小群が採餌していました。
もし・・・この水辺に何も手を掛けずに放置し続けていたらどうなっていたでしょうか?
想像するのも何だかな・・と思ってしまいますが恐らくは徐々にヒメガマが勢力を伸ばし、水面は全く見えなくなりそこに野鳥の姿を探すのは難しくなっていたかも知れません。少なくとも色々な種類の野鳥が観察できるということは無かったでしょう!それが今では『最近は毎日カワセミがやって来ている』とか『カイツブリが定着しているみたいで朝夕には鳴き声が聞こえる』という水辺に変わりました。これも全て難儀をしながらヒメガマの除去作業をして下さった方々のお陰です。
こうして私たち人間が手を入れることで復活する環境があります。4年前と現在ではそこを利用する野鳥の数と種類は雲泥の差です。
勿論全てに於いてこの様に人手を入れるのが良いというのではありませんが、場合によっては野鳥などの生息環境を維持するために人手が必要な事もあると言うこと。
とかく・・「自然保護」というと手をつけずに自然のままにというイメージがありますが、積極的に手を入れないと失われていく環境というのもあって、今回のように繁茂していたヒメガマを除去するというような一見、そこの自然を破壊しているかのように見えても結果として「自然保護」に繋がる事もあります。そうした視点をもつと各地で行われている活動にも関心が及んでいきます。
私たちの周りの『生物多様性』を私たちの手で保つこと、守ることが出来るのです。決して難しいことばかりでもありません。皆さんもご自身の周りで行われている活動に参加してみてはいかがでしょうか??
日本のいのち、つないでいこう!【COP10まで40日前】
生物多様性ホームページ http://www.biodic.go.jp/biodiversity/
COP10支援実行委員会 http://www.cop10.jp/aichi-nagoya/
今日は久しぶりに大潟での話し。このところ・・森吉での話題ばかり続いていましたからね。その間に大潟でも季節が移ろい、鳥達の様子も随分と変わってきました。先日はコガモやマガモのカモの群れ第1陣(?)の飛来を確認しました。まだまだ9月の初旬ですがもうカモの姿が見られるとは・・・
先ずは・・この写真をご覧下さい。大潟草原の管理棟からみて南側にある水辺を写した物です。撮影日は2007年9月11日です。
次に・・こちらの写真をご覧下さい。こちらも同じ水辺を撮影した物です。厳密にはやや角度がずれているのですが・・・水辺の様子の違いが一目瞭然だと思います。
上の写真は・・当地が鳥獣保護区の特別保護地区であり、当時は特別保護指定区域となっていたこともあり自然のままに・・何も手を加えずに長い時間を経過していた状況を撮影した物です。
それに対して下の写真は、かつては多くの水鳥が泳ぎ、カイツブリなどが繁殖していた水辺を取り戻そうと繁茂しまくっていたヒメガマを3年がかりで徹底的に除去した後の様子を撮影した物です。
昔を知る人達から聞くかつての大潟草原内の水辺の様子にはまだまだ遠いようではありますが失われた水辺が人の手によって復活してきているのです。
そうして水辺が現れてくるとそこを利用する野鳥達が格段に増えてきています。かつてはオオヨシキリなど数少ない野鳥の姿しかなかった場所に、カワセミが採餌に訪れ、アオサギ・ダイサギ・ゴイサギが日中を過ごす場所となり、先日は【カルガモ】の小群が採餌していました。
もし・・・この水辺に何も手を掛けずに放置し続けていたらどうなっていたでしょうか?
想像するのも何だかな・・と思ってしまいますが恐らくは徐々にヒメガマが勢力を伸ばし、水面は全く見えなくなりそこに野鳥の姿を探すのは難しくなっていたかも知れません。少なくとも色々な種類の野鳥が観察できるということは無かったでしょう!それが今では『最近は毎日カワセミがやって来ている』とか『カイツブリが定着しているみたいで朝夕には鳴き声が聞こえる』という水辺に変わりました。これも全て難儀をしながらヒメガマの除去作業をして下さった方々のお陰です。
こうして私たち人間が手を入れることで復活する環境があります。4年前と現在ではそこを利用する野鳥の数と種類は雲泥の差です。
勿論全てに於いてこの様に人手を入れるのが良いというのではありませんが、場合によっては野鳥などの生息環境を維持するために人手が必要な事もあると言うこと。
とかく・・「自然保護」というと手をつけずに自然のままにというイメージがありますが、積極的に手を入れないと失われていく環境というのもあって、今回のように繁茂していたヒメガマを除去するというような一見、そこの自然を破壊しているかのように見えても結果として「自然保護」に繋がる事もあります。そうした視点をもつと各地で行われている活動にも関心が及んでいきます。
私たちの周りの『生物多様性』を私たちの手で保つこと、守ることが出来るのです。決して難しいことばかりでもありません。皆さんもご自身の周りで行われている活動に参加してみてはいかがでしょうか??
日本のいのち、つないでいこう!【COP10まで40日前】
生物多様性ホームページ http://www.biodic.go.jp/biodiversity/
COP10支援実行委員会 http://www.cop10.jp/aichi-nagoya/