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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

ヤマカガシ 黄色色素欠乏事例

2010年08月05日
秋田
 暑い日が続きます。例年竿灯祭りの期間中は天気の心配をしていなければならないのですが今年は全く心配要りません。むしろ暑すぎて夜なのに熱中症の心配が必要です。
 竿灯は夜空を彩る光の稲穂ですが田んぼの稲穂も出穂し徐々に膨らみ始めました。暑い中にも少しずつ秋の気配を感じられる季節でもあります。



 さて、今日はタイトル通り【ヤマカガシ】を取り上げます。ヘビが苦手な方、申し訳ございません。



 先日、森吉での巡視を終え事務所へ戻るべく車を走らせていると道路を横断中のヘビを見つけました。


 そのヘビがこの【ヤマカガシ】です。パッと見、全体の雰囲気は【ヤマカガシ】なのですが・・・ちょっと普段見るのとは違っていました。
 普通、【ヤマカガシ】は首の回りに黄色い模様があったり体中に赤い模様がありますが、この個体にはそれがありません。図鑑などに掲載されている「黄色色素の欠乏した個体」と酷似しています。

 近くまで行って上から観察してみたい衝動に駆られましたが【ヤマカガシ】を脅かすのはいけません!!どうにか写真に納めようと車から身を乗り出して撮影しましたが【ヤマカガシ】は間もなく道路を横断し終えようとしています・・・。
 

 【ヤマカガシ】に「待って」と言ったところで待ってくれるはずもありません・・・。チョロチョロと舌を出しながらヤブの中へと消えていきました。


 一段落して「あぁあ・・もっと見たかったな~」と思いながらも貴重な観察事例だったなと得した気持ちになって事務所に戻りました。
 撮影した写真も見てもう一つ気付いたことがあります。ご存じの方もいるかとは思いますが・・・写真の【ヤマカガシ】の舌先をよく見て下さい。2股に分かれています。私はこの事実を知らなかったのでもう一つ得した気分になった観察でした。
 図鑑などによれば【ヤマカガシ】はオタマジャクシなどを好んで食べるそうですがそうした小さな生物を捕らえるときにこの2股に分かれた舌先が便利なのかも知れませんね??