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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

【実施報告】 自然観察会『ヒバクラ湿原のお花畑』

2010年07月07日
秋田
 七夕の今日は『クールアースデー』でもあります。夏至の日にもライトダウンキャンペーンのサイトを紹介しましたが、今日も同様の取り組みが各地で行われます。「星に願いを・・・」って時に街の灯りが煌々としていては願いが届くかどうか心配になりますもんね?街の灯りがいつもよりも少なく星に願いが届きやすいこの日、皆さんはどんな願い事をされますか?



 さて、暫く(?)ご無沙汰の間に、自然観察会を実施しましたのでご報告します。
 梅雨のこの時期、野外での活動では天候が気になりますよね?週間予報に実施日が含まれるようになってくると連日「大丈夫かな?」と不安げに見てしまいますよね?この日も週間予報は曇りか雨でずっと推移していて、直前には大雨注意報まで発令されたりとかなりヤキモキしましたが幸いにも観察会の最中は雨にも降られず、実施することが出来ました。

 すると今度は湿気が気になり、更に気温も高くなっていたので熱中症の心配も出てきます。とにかく・・この時期の野外活動は心配事、注意事項が沢山です。

 今回も地元で活動するベテランガイド2人に講師を依頼して観察会を実施したのですがもうひとりの講師は不祥私が務める事となりました。
 観察会のコースは密な樹林帯を通っている事と風上に稜線が走っている事で風もそれほどあたらず・・・ムンッとした湿気の中を歩いていきます。そんな中でもブナの森はいくらか涼しさを与えてくれます。皆さん汗をぬぐいながらも講師の説明を聞き、歩を進めて高度を上げていきます。



 植生の垂直分布が見て取れるこのコースで、周りがモロビ(オオシラビソ=アオモリトドマツの事を森吉ではこう呼びます)中心に変わり、この先に急な斜面が待っているというタイミングで湧き水が現れます。
 コースを外れて寄り道をしなければならない湧き水へも皆さんが立ち寄り、口に含んだり顔を洗ったりしていました。



 冷たい水で元気を回復した後は急な坂を上り詰め、いよいよヒバクラ湿原へと辿り着きます。この日はニッコウキスゲ、ハクサンシャクナゲ、ウラジロヨウラク等など多くの花に出迎えられてこれまでの疲れも何処かに吹き飛んでいたようです。



 ここから見える景色は頑張った人のもの。と言うことで景色の写真は割愛します。是非ご自分の目でご覧下さい。湿原では今、ニッコウキスゲが見頃を迎えていますよ!!


 森吉山野生鳥獣センター運営協議会が主催する観察会としてはややハードなコースで行う観察会ですが、このコースは見所が山頂部の湿原の他にもたくさんありますから観察ポイントも充実しています。そのポイントで講師の説明を聞きながら、汗をぬぐい、呼吸を整えて歩を進め、辿り着いた花イッパイの湿原で景色をおかずに昼食を食べている時の皆さんの顔が楽しそうで、我々スタッフもイイ時間を過ごせました。



 全員無事に下山した後は、共催している秋田県が森吉山麓高原で取り組んでいる森林再生事業の一環としてブナの植樹体験をしていただきました。
 今回の観察会にはこの植樹目当てで参加された方もいますし、毎年植樹するのを楽しみにされている方もいます。と言うわけで・・植樹の模様もお伝えしたいと思いますが、長くなりましたのでまた日を改めて!!



 ※この記事の写真は当事務所の保護官が撮影した写真も使わせていただいてます。