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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

後に気付いたこと <2題>

2010年05月24日
秋田
 自分の仕事場で色んな機会に色々な事を見て、聞いて、調べて、感じることで他の地域のことも見えてくるものだなぁ~なんて感じている今日この頃です。
 と言うのも・・このところ、自分が仕事をしているエリアではなく仲間のアクティブレンジャー達の仕事場へ行く機会が続きました。私にとってお馴染みの場所もあれば新鮮な場所もあり色々な刺激を受けています。



 さて、今日は現地で仕事をしてきてその時に撮った写真を見てイロイロ調べていて気付いた写真を元にした日記<2題>です。


 先ずは【コゲラ】の話し。

 お馴染みの【コゲラ】は森吉でも大潟でも見ることが出来るキツツキです。このことで、平野部の林から奥山の森林までの広い生息域を持つことを体験的に学んでいます。
 これは森吉で忙しく採餌していた【コゲラ】です。暫く観察していると、自分の口にも餌が入っていたようですが、更に咥えて運んでもいたようです。そろそろペアのメス♀が抱卵している頃でしょうか?


 と、言うことはこの個体はオス♂なのかな?なんて思っていたのですが、事務所に戻って写真を見ると・・・


 やっぱりオス♂でした。
 野外では気がつきませんでしたが、かすかに側頭部に赤い羽根が見えています。もう繁殖行動に入っているんだと推測できたので、これからは繁殖の邪魔をしないようにしながら観察しないといけないな!とも感じました。




 次は【カタクリ】の話し。

 森吉のブナ林の林床は今、スプリングエフェメラルと呼ばれる早春の花々が見頃を迎えています。同じ森を何度も歩いているとおよそ、何処に何の花があるのか把握できるようになってきました。
 【カタクリ】は好きな花なので写真もちょっと多めに撮影しまし^^、この写真もいつもと同じ場所で去年と同じように咲いていたものをファインダーも覗かずに撮影したものですが、花びらが大きく後ろに反っていたので中心部にある模様がしっかりと見えて「こんな模様があったんだ~」と思いながら、写真をよく見ると、一匹のハチ(?)が写り込んでいました。と言うより、私がハチの食事を邪魔した形ですけど・・・。


 写真を見ることによって、【カタクリ】の「模様」もさることながら、そこに集まる昆虫の存在に気付くことが出来ました。彼らも厳しい冬を乗り越えて、新たな活動を開始していたのです。




 現地では「【コゲラ】が採餌していた」「【カタクリ】が綺麗に咲いていた」としか解っていませんでした。が、花も鳥も昆虫も次の世代へと命を繋ぐため一生懸命になっていることに気付きます。(私に現地での観察力が足りないからだと言われたら返す言葉もありませんが・・・)
 その事に気付くと、自然界には様々な生きものたちがいて、それぞれが懸命に活動している場なんだという、当たり前のことが当たり前に感じられるようになります。そしてその活動がこの先もずっと続いていって欲しいと強く感し、その思いがドンドン大きく膨らんでいくのを感じます。