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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

春の乗鞍岳

2010年05月07日
十和田
更新が遅くなりましたが、4月27日にスノーシューウォークイベント(十和田ビジターセンター行事)が南八甲田の乗鞍岳(1449m)で開かれ、同行してきました。

右後方に見えるのが乗鞍岳

起点となる猿倉温泉(850m)を8:30に出発し、猿倉岳には登らずに矢櫃橋を経由して乗鞍岳に11:30に登頂してきました。
例年に比べ今年は積雪量が少ないと言われていましたが、4月に下旬になっても寒い日が続いていたため、猿倉温泉周辺の登山道もまだ雪の下に埋もれていました。

矢櫃橋へ行くまでのブナ林にはかなり沢山のクマ棚がありました。クマ棚とは秋にクマがブナの木に登って枝を折ってどんぐりを食べ、折った枝をお尻に敷いていくことによって樹上にできる大きな鳥の巣の様なものです。ブナの幹には登る際のえぐったような細かい爪の跡と、降りる際についた長いひっかき傷が生々しく残っていました。
熊の気配がかなり濃厚な地帯でしたので、入山される方は十分お気をつけ下さい。

クマ棚

雪解けとともに少しずつ見え始めた矢櫃橋を越えると、植生はアオモリトドマツに段々と変わっていきます。標高が1300mを過ぎる頃になれば樹氷も見ることができました。

乗鞍岳山頂

平日にも関わらず多くのスキーヤーも入山していたようで、猿倉岳の東斜面を楽しそうに滑り降りる姿も見受けられました。
山頂からの視界はややかすんでいたものの、北八甲田の山並みや、南の方角には十和田湖の湖面、そしてその遙か遠くには岩手山の姿も確認することができました。

※GW期間中にかなりのスピードで雪解けが進んだと思われます。登山道が部分的に出始めるこれからの時期はルート取りが難しくなります。地図・コンパス等、十分な装備が必要です。