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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

花いろとりどり

2010年04月26日
白神山地
白神山地遺産センター周辺の山々から雪は消え、大型連休を間近に迎え、白神山地周辺の施設では開館に向けた準備が慌ただしく行われています。
また弘前市の桜の開花は連休の時期と重なるため、白神山地周辺へも多数の来訪があると思います。

そこで本日は、この時期に白神山地周辺の山々で見ることのできる変わった植物についてレポートしたいと思います。

まずは、この時期の変わりものとして、「エンレイソウ」を紹介します。

エンレイソウは、白神山地では融雪後の4月から5月にかけて山林内のやや湿った場所に生育する植物です。
茎は短く、葉は茎の先端から丸みを帯びたひし形の葉を「3枚」輪生※1させます。
※1輪生・・・1つの節を囲んで,複数の葉がついていること


エンレイソウ(延齢草、学名:Trillium smallii Maxim.)photo 2010.4.22

さらに花の様に見えるものは、3枚の「茶色」の萼(がく)と、雄しべ6つと先が3つに分裂した雌しべ1本からなっています。
林の中で花の存在を見つけることは難しそうですが、この植物はユリ科の仲間の植物に分類されています。



さて、ここまで説明を見て、皆さん何かに気づきませんか?


エンレイソウは、・・・ひし形の葉を「3枚」輪生させ・・・3枚の「茶色」の萼・・・、雄しべ6つ・・・3つに分裂した雌しべ・・・



そうです。

不思議なことにエンレイソウは3の倍数にちなんだ部分が多い植物なのです。
そのため学名は「Trillium smallii」なのですが、日本語訳すると「3を基数にしたユリ」という名前になるそうです。

連休中でかける先で、「エンレイソウ」に出会う機会があるかもしれません。
また、そのほかの植物についても、もしかする何かのルールにそっているかもしれません。
野原や森へ出かける際にはルーペなどをもって、3の倍数どおりになっているか、ほかのルールはないか観察してはいかがでしょうか?

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アクアグリーンビレッジANMONは4月27日に開館及び開通する予定です。
詳細は、西目屋村HPをご参照ください。
ブナ林散策道は残雪が多く足場が非常に悪いため、長靴等の準備をおすすめします。なお暗門の滝歩道は6月上旬の開通予定です。

アクアグリーンビレッジANMONより先の白神ラインについては、4月27日現在、通行できませんのでご注意ください。