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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

自然体って? 全長って?

2010年02月25日
秋田
 今日は各地で大学入試が行われているはずですが、この「春」を思わせる好天は受験生にとってどんな影響があるのでしょうか?毎年の受験日等には天気が荒れて交通ダイヤが乱れるようなイメージがありますが、今日はその心配は不要だったでしょうかね?

 

 今日は、大潟村の中ではそれほど観察機会の多くないカモメ類の中から先日、承水路で見つけた【オオセグロカモメ】の観察から私が感じたこと、悩んでいる(?)ことの話。


 カモメ類と言えば・・・野鳥の中でも識別のハードルが高い仲間で『苦手』と感じている方も多いようです。私のような素人は基本的にどの仲間も同じようにハードルが高いので、カモメだからと言って特別ではないのですが、やはり難しいな~と感じることがあります。
 そんな中でも今日取り上げる、【オオセグロカモメ】の成鳥は見つけやすいし、観察もしやすいし、『先ずはここから!』と言う、とっかかりと言うか、入口と言うか・・そんな存在だとは思うのですが・・・

 カモメってそれだけで図鑑が出てたりしますよね?図鑑によって写真だったりイラストだったりしますが、それらも含めてなかなか『同じ向きや角度で』『同じような姿勢で』類似種が比べられている事が少なくないですか?
 私のような素人にはそれが、まずもって最初のハードルになったりします。↓下の3枚の写真は同じ個体を同じ場所から撮影したものです。よく見比べてみて下さい。







 個人的な話で恐縮ですが・・私が野鳥のこと、特に識別の事を勉強しようと思って自分で行っている方法が「イラストを描いてみる」こと。なんとなく印象で描いている分にはそれほどでもないのですが、より正確に!と思いながら描くと色々と気になる部分が出てきます。その部分を確かめるために図鑑を何冊もめくることになるのですが時として、どの図鑑でもその部分が解らないこともあります。
 


 ちょっと話が【オオセグロカモメ】から離れてしまいましたが・・上の3枚の写真のうち、どの写真がもっとも自然体の【オオセグロカモメ】なんでしょうか?イラストの図鑑と見比べると2枚目の写真が、描かれている物と近似なのかな?と思いますが、それが最もスタンダードな姿勢、つまり”自然体”ってことでしょうか?実際にカモメを観察していると1枚目の写真と近似の姿勢で過ごすカモメ達もよく見かけます。と言うことは力が抜けたこの状態が”自然体”ってことでしょうか?我々に置き換えて考えてみると・・・1枚目の写真は「休め」の姿勢で2枚目は「起立」の姿勢でしょうか?そうすると1枚目の方がより”自然体”なのでしょうか?


 それともう一つ・・・1枚目の写真と3枚目の写真とでは、図鑑などに出ている「全長(嘴の先端から尾羽の先端まで)」の測定値が随分と違うというのは見て解りますよね?
 【オオセグロカモメ】の場合、その図鑑によってバラツキはありますが、およそ60~65cmの範疇に収まりそうです。ではその測定は3枚目の写真の様な状態で行われているのでしょうか?それとも2枚目の写真でしょうか?ちなみに・・サンカノゴイやヨシゴイのように首がもの凄く伸びる種についてはどうやって計測しているのでしょうか?

 
 今シーズンはカモメも覚えていきたいな~と思って色んな場所に出かけてみたり、イラストも描いてみましたが、次々とハードルが現れてきて、しかもどんどん高くなっていくような気がしています・・・。どなたかご存じの方がいましたら是非ご指導いただきますようお願いいたします。





 でもまぁ、そうは言っても・・・いつもこんな事を悩みながら観察している訳ではなく、基本的には彼らの行動などを観察しながら楽しく野鳥観察をしているんですけどね(笑)!!