アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]
タンチョウの近況など
2010年02月02日
秋田
今日は「平成22年2月2日」と「2」がずらりと並ぶ日です(22日になればもう一つ増えますけど・・)。個人的な話でスミマセンが、時計を見たときたまたま2時22分だったりするとそれだけでちょっと嬉しくなりますが、今日は丸一日そんな気分に浸れる日。
それと今日は『世界湿原デー(World Wetlands Day)』。1971年にラムサール条約が調印締結されたことから制定されたそうです。
このところ、北海道以外の各地から『タンチョウ飛来』のニュースが聞かれる今日この頃・・・中でも長期にわたり継続して生息している『秋田のタンチョウ』はすっかりお馴染みのアイドル的存在です。
ではそのアイドルはどんな環境で暮らしているのか?それを近況を交えてお伝えしようと思います。
現在、現在【タンチョウ】が塒としているのは大潟村の「南の池」と大潟村と男鹿市の間にある「西部承水路」です。
共通する特徴としては・・・
①ごく浅い水辺である。
②直ぐ側を道路が走っている。
③周囲にヨシなどが繁茂し、道路からの視界を遮る物がある。
と、言ったところでしょうか。【タンチョウ】はその時の天候や風、水辺の状態(氷っているか?いないか?)等で使い分けているようです。
この写真は「南の池」の北側から南方向に向かって撮影したものです。
手前側に写っている池の中を移動しているのが【タンチョウ】で、右奥には幹線道路が写っており、左奥の施設は秋田県立大学の研究施設です。
ちなみに「西部承水路」の塒の方が道路からも離れていて、電線などの障害物もなく、ヨシの密生度も高く、より『安全』な印象を持ちますが、最近は「南の池」の方が利用頻度が高いかも知れません・・・。どちらも「鳥獣保護区」内ですが普段から誰でも行くことが出来る公園であったり、抜け道に使う道路の脇だったり・・・身近な環境に【タンチョウ】が生息しています。
採餌場所から「南の池」に戻ってきた【タンチョウ】です。
1日に何度も飛翔して移動をすることがあったり、ほとんど同じ場所で終日過ごすことがあったりと気ままに行動しているように写る【タンチョウ】。たった1羽で生活している割に観察機会も多く、それが人気の一因にもなっていますが・・・
しかしこの【タンチョウ】について・・「人に慣れている」「近づいても逃げない」といった情報がひとり歩きしている部分もあって・・・これからの【タンチョウ】と我々人間の関係が心配になります。
と、言うのも最近、【タンチョウ】を観察しているとこれまでにない「変化」に気付きます。
一つは『良く鳴くようになった』こと。これまでは聞いたことの無かった『コォォォー』という鳴き声を今年になってから何度も聞くようになりました。何とも言えない澄んだ、よく通る美声です。
もう一つは、ちょっと自信もなく躊躇いますが・・・『巣作りを連想させる行動が見られる』こと。たった一度見ただけですが、長いヨシの茎を拾って来てある場所に置きました。しかしどうも気に入らなかったようで何度も何度もやり直しをしていました。この時に置いたヨシは2本だけなのでなんとも心許ない話ではありますが・・・私は”そう”連想しました。聞くところによると鳥獣保護区の管理員さんも似たような場面を観察したことがあるそうです。
この変化の理由は解りませんが、少なくとも「これまでと同じ」付き合い方ではいけないような気がしています。【タンチョウ】も成長して大人になりました。その成長に合わせた付き合い方が必要なのではないでしょうか?
相手は厳しい自然界で暮らす野鳥です。これまでにも何度も言ってきましたが『適切な距離』で『良い関係』を続けていきたいものです。
それと今日は『世界湿原デー(World Wetlands Day)』。1971年にラムサール条約が調印締結されたことから制定されたそうです。
このところ、北海道以外の各地から『タンチョウ飛来』のニュースが聞かれる今日この頃・・・中でも長期にわたり継続して生息している『秋田のタンチョウ』はすっかりお馴染みのアイドル的存在です。
ではそのアイドルはどんな環境で暮らしているのか?それを近況を交えてお伝えしようと思います。
現在、現在【タンチョウ】が塒としているのは大潟村の「南の池」と大潟村と男鹿市の間にある「西部承水路」です。
共通する特徴としては・・・
①ごく浅い水辺である。
②直ぐ側を道路が走っている。
③周囲にヨシなどが繁茂し、道路からの視界を遮る物がある。
と、言ったところでしょうか。【タンチョウ】はその時の天候や風、水辺の状態(氷っているか?いないか?)等で使い分けているようです。
この写真は「南の池」の北側から南方向に向かって撮影したものです。
手前側に写っている池の中を移動しているのが【タンチョウ】で、右奥には幹線道路が写っており、左奥の施設は秋田県立大学の研究施設です。
ちなみに「西部承水路」の塒の方が道路からも離れていて、電線などの障害物もなく、ヨシの密生度も高く、より『安全』な印象を持ちますが、最近は「南の池」の方が利用頻度が高いかも知れません・・・。どちらも「鳥獣保護区」内ですが普段から誰でも行くことが出来る公園であったり、抜け道に使う道路の脇だったり・・・身近な環境に【タンチョウ】が生息しています。
採餌場所から「南の池」に戻ってきた【タンチョウ】です。
1日に何度も飛翔して移動をすることがあったり、ほとんど同じ場所で終日過ごすことがあったりと気ままに行動しているように写る【タンチョウ】。たった1羽で生活している割に観察機会も多く、それが人気の一因にもなっていますが・・・
しかしこの【タンチョウ】について・・「人に慣れている」「近づいても逃げない」といった情報がひとり歩きしている部分もあって・・・これからの【タンチョウ】と我々人間の関係が心配になります。
と、言うのも最近、【タンチョウ】を観察しているとこれまでにない「変化」に気付きます。
一つは『良く鳴くようになった』こと。これまでは聞いたことの無かった『コォォォー』という鳴き声を今年になってから何度も聞くようになりました。何とも言えない澄んだ、よく通る美声です。
もう一つは、ちょっと自信もなく躊躇いますが・・・『巣作りを連想させる行動が見られる』こと。たった一度見ただけですが、長いヨシの茎を拾って来てある場所に置きました。しかしどうも気に入らなかったようで何度も何度もやり直しをしていました。この時に置いたヨシは2本だけなのでなんとも心許ない話ではありますが・・・私は”そう”連想しました。聞くところによると鳥獣保護区の管理員さんも似たような場面を観察したことがあるそうです。
この変化の理由は解りませんが、少なくとも「これまでと同じ」付き合い方ではいけないような気がしています。【タンチョウ】も成長して大人になりました。その成長に合わせた付き合い方が必要なのではないでしょうか?
相手は厳しい自然界で暮らす野鳥です。これまでにも何度も言ってきましたが『適切な距離』で『良い関係』を続けていきたいものです。