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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

ツルハシ

2009年12月15日
秋田
 先頃、本のベストセラーが発表されましたね?今年は村上春樹さんの小説が1位だったそうです。私も通勤時を中心に何冊か本を読みましたが、ベスト10を見ても私の本棚とは縁のないものばかり・・・本棚を見ればその人の事が解るという方もいますが・・・(苦笑)



 今日の日記は、もしかしたら日本一有名な野鳥じゃないか?と思われる大潟の【タンチョウ】の話題。この【タンチョウ】大潟で2回目の冬を迎えています。相変わらず体調はよろしいようで、行動範囲も広く、見たところ羽の艶も良く優美な姿を見せています。

 そんな【タンチョウ】ですが・・・採餌の時は必ずしも優美とは言えません。これまでも何度か採餌の様子をお伝えしてきたのでお分かりの方もいるかと思います。
 今日はタイトルにもあるとおり『ツルハシ』の話題。皆さんは『ツルハシ』と聞くと工事現場にある道具を思い浮かべますよね?先端の尖った”あの”道具です。しかし今日はそのツルハシではなく、元祖ツルハシとでも言いましょうか・・【タンチョウ】の嘴についての話し。鶴の嘴で『ツルハシ』・・なんちゃって(笑)


 最近お気に入りの食材調達地は大潟村の鳥獣保護区東区及び秋田県立大学付属農場。その広い公園や農場で、思うままに食事をする姿が観察されています。その時は決まって・・・下の写真のように嘴が泥だらけなんです。


 べっとりと付いた泥をご覧下さい。優美な【タンチョウ】のイメージからはやや遠い姿かも知れませんがこれが、いつもの状態。
 どうしてこんなに泥だらけになるのか?と言うと・・・


 嘴で地面に穴を掘っているからです。まるで”あの”ツルハシのように・・・。
 では何故地面に穴を掘っているのか?と言うと・・・


 冬眠したカエルを掘り出して食べるためです。彼には何処にカエルが冬眠しているのか?解るようで、下を向いてウロウロ歩いていたかと思うと一点を集中的に突き出します。暫くするとこの様にカエルをつまみ上げるのです。


 今週は雪が続く予報ですからもうすぐ、この場所も雪の下になることでしょう。その前に食べておこうと思っているのでしょうか??嘴を泥だらけにして夢中で食べています。こんな時、彼の『ツルハシ』は有効なようです!!



 この【タンチョウ】ですが、またまたテレビ出演が決まっています。予定では12月24日にNHKの秋田ローカルのニュース番組で取り上げられるそうです。約5分ほどのコーナーだそうですが・・・。これで何回目になるかな?確実に言えるのは・・・私よりもテレビの出演回数が多いということ。