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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

ミヤマホオジロ

2009年12月08日
秋田
 皆さんも不便を感じていたでしょう、大潟村内の幹線道路(県道42号線)の通行止めは規制が解除されたようです。まだ一部の道路で通行止めが行われているのですが、それほど不便を感じることは無くなったと思います。ですが、これまで以上の安全運転をお願いいたします。


 今日はその交通規制が未だ行われていた頃に観察した野鳥の話題です。


 大潟草原鳥獣保護区は大潟村の中心地からほど近いという立地で、区域内に幹線道路が走っています。先般その道路が通行止めになっていましたから、いつも交通量が多い道路の側で調査しているとどうしても野鳥の鳴き声については聞き取れないことが多く(聞き取れたとしても全ては判別できませんけど・・)、いつも苦戦していますがこの期間に限っては鳴き声が良く聞き取れて、いつになく野鳥を近くに感じていました。心なしか野鳥の数も多かったようにすら感じています。

 そうすると当然(?)観察機会も増えてくるので、良い場面に出くわす事も多くなります。この時はヤブの中に小鳥の群れを見つけ、その様子をしばらく観察していました。その群れにはシジュウカラやヒガラ、メジロ、カシラダカなどが居ましたが、私の側までやって来てくれたのは【ミヤマホオジロ】でした。


 彼らは地面で採餌していました。注意して観察すると、草の実を啄んだり、生えている草からむしり取ったり、時には筋状に実った種子を根こそぎ食べていました。例えて言うなら串焼きを横にして一気に串を抜き取るような食べ方で・・・(と言う例えは鳥の話をしている今、適切ではないかも知れませんけど・・)。摘んだり、引きちぎったり、色んな食べ方をしていて中々興味深いものでした。


 写真には1羽ずつしか写っていませんが、この時には5羽の雄に3羽の雌が確認できました。でもみんながみんなバラバラに色んな食べ方で採餌するので、何処を見て良いか・・撮影して良いのか・・・で、結果こんな写真になったと・・・(苦笑)


 交通規制が解除されてから行った調査では【ミヤマホオジロ】は確認できませんでした。居なくなったという事ではないでしょうかけど・・・見つけにくくなったのは確かだと・・・聞きづらくなったのはこれまた確かだと・・・。
 でも、遠回りをせずに済むようになったから良かったとも感じていたり・・・
 自分たちに便利なように生活環境を整備すると、一方では生活環境を脅かされたり、破壊させたりする生きものもいるんだ。このキッカケで色んな事が思い浮かべられ・・・
 長い夜にそんなことを考えちゃう今日この頃です。