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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

南の池のオオハクチョウ ~水飲み編~

2009年12月01日
秋田
 今日12月1日の花(誕生花)は「ヨモギ」なんだそうです。あの道ばたで見かけるヨモギを思い浮かべ・・・地m@△♪#$・・と思って花言葉を調べてみると『決して離さない』とありました。言葉と言うよりは短文のようですが、急に深い意味を考えたり・・・さぁ2009年最後の月のスタートです。


 大潟草原鳥獣保護区内の「南の池」に昨シーズンもう飛べなくなる程の負傷を負い、繁殖地へと渡れなくなってしまった【オオハクチョウ】が暮らしています。「南の池」南の池公園の中にある小さな池ですが、公園の中にあり、幹線道路から近く、キャンプ場になっていたりと人が来やすい場所になっているので、その【オオハクチョウ】の存在もたちまち村中に知れ渡り、今では南に池のアイドル的存在になっています。

 南の池に行くと会った人達に【オオハクチョウ】について色々聞かれるのですが・・・子ども達に『このハクチョウを助けてあげられないの?』と聞かれるのが一番ツライです・・・。
 しかしこの【オオハクチョウ】、仲間が去った春を桜の下で過ごし、梅雨明け宣言の無かったジメジメした夏を乗り切り、村中が慌ただしくなる収穫の秋には随分と環境に馴染み行動範囲も広がり、台風も経験して、逞しく過ごしてきました。

 以前は、池にせり出した堤防のような場所で過ごすことの多かった【オオハクチョウ】ですが、最近は池全体を縄張りのようにして過ごしているので、運が良ければ、かなり近くで観察することが出来ます。
 先日、私もそんな機会に恵まれたので、珍しくレンズを向けて撮影してきましたのでその時の写真をご紹介します。


 【オオハクチョウ】の水飲みシーンです。彼らも我々人間同様生きていくためには水が必要です。その水を取り込むために嘴を使って水を飲むのですが、【オオハクチョウ】のやり方は大きな嘴の”下”の部分下嘴(かし)を水の中に浸し、そこに水をためてすくい上げるという飲み方をします。自分の下嘴をコップのように使って飲むという方が分かりやすいでしょうか??


 直ぐ側で水を飲む【オオハクチョウ】を見て、野鳥の水飲みについて書かれた本の通りだと、おかしな感心をしてその時の観察を終えたのですが・・・
 事務所に帰って撮影した写真を見返すと・・・この写真に目が止まりました。


 アップにしてみました。【オオハクチョウ】の水飲みは嘴の”下”の部分を使うものだと思っていましたがこれって”舌”でしょうかね??やっぱり・・・

 この観察&写真から【オオハクチョウ】は下嘴と舌を使って水を飲む!と言うことが解りましたが(推測されますが・・)実際にはどうやって水を飲むんでしょうかね?写真を見ると結構こぼれてしまっていますからそれほど効率よく飲めるわけではないんでしょうかね?首が長く、嘴も大きな【オオハクチョウ】は水を飲むのが得意な印象を受けますが・・・

 
 こういった予期していなかった画像が撮影できたりすると、写真の力って凄いな~と改めて感じます。また現地で、それも直ぐ側で観察していても気付かないこと、見えない事ってあるんですね?なんかこの写真は得した気分になったので日記のネタにしてみました。