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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

潜水 カイツブリ

2009年11月25日
秋田
 仕事帰りに秋田市内を歩くと、クリスマスのイルミネーションがキレイです。秋田市内のものは他の地域に比べて規模も小さいのですが、それでもワクワクした気持ちにさせられます。もうそんな時期なんですね?うちも準備しなくちゃ!! 


 さて、ここ数日11月下旬とは思えないくらい温かく、青空が広がる小春日和が続いている秋田・大潟には各地から鳥見に来られる方が多くなってます。そのお目当てはシジュウカラガンやハクガンといった滅多に見られない稀少なガン達。日中ガン達が採餌している場所には見慣れない車が多く、その車窓から大砲(超望遠レンズ)がチラッと見えています。

 そんな中、ガンを見たい衝動を抑えながら西部承水路で調査していると、なかなか面白い光景を目にする事がありますが、その時はいつにも増して嬉しく感じてしまいます(←なんて書くと性格悪そうですね・・・笑)。

 今日はその中から【カイツブリ】を観察していて見つけた”小さな小さな発見”についてお伝えしようと思います。


 【カイツブリ】と言えば皆さんはどんな事を連想するでしょうか??

 やはり・・潜水でしょうかね??(←独断的??)【カイツブリ】の語源として『水を掻いて潜る』が『掻いて、潜る』となり・・・『かいつぶり』となったとする説があるようですし、学名のTachybaptus ruficollisのTachybaptusはtachys(早い)+bapto(潜る)の意味だそうですから、古今東西(?)、【カイツブリ】と言えば潜水する鳥というイメージが強いようですね??
 ちょっと強引かも知れませんが・・・ということで、【カイツブリ】の潜水シーンを観察してみました。かなり頻繁に潜水する上、一旦潜ると何処から上がってくるのか?予測が難しいのですが、よーーく観察すると、潜水に向けた動作が見えてきました(←ちょっと大げさですけど・・)。


 この状態が、潜水が終わり次の潜水までのインターバルの様子です。この写真と次の写真をよく見比べていただきたいのですが・・・。
 

 この写真が、「さぁ行くぞ!」というタイミングです。上の写真と見比べると首の位置が異なっているのですが。お分かりになるでしょうか??頭の位置が後ろになったというか、顎を引いたというか・・・

 2枚の写真を「首の角度」に着目して見比べると・・・【カイツブリ】は首が短くて解りにくいかも知れませんが 、潜水の直前に頭を後ろに引くような動作を見せることが解りました。自分に置き換えてみてみれば、プールなどに飛び込む時、同じような動作をしませんか?躊躇うわけではありませんが、一度軽く”引く”動作!
 それと似たような事を【カイツブリ】もやるんです。勢いを付ける為なのか?潜水の角度調整をしているのか?はたまた他の理由があるのか?解りませんが・・・

 野鳥観察をしていると時々、自分に置き換えられるような動作を見ることがありますが、【カイツブリ】にも私たちと共通するような動きがある。と言うのがこの時の”小さな小さな発見”です。 


 この写真は上の写真から数秒後、潜水のために伸び上がり嘴が水面に入ったその瞬間です。餌を捕らえる事は出来たのでしょうか??