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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

狙いどころ

2009年11月12日
秋田
 気持ちよく晴れましたが、吐く息が随分と白くなってきました。朝は寒いのですが日中は温かかったり、寒いと思っても歩くとじわっと汗が出たり・・・どうもこの時期の洋服選びが苦手です。 


 先日、森吉で野鳥観察をご一緒した方からこんな質問をされました。
 『例えば、今の時期であればため池や川などにハクチョウやカモの姿があるし、川の浅瀬にはサギがいるし、港にはカモメがいるじゃないですか?小鳥にもここに行けばこんな小鳥が見られるっていう傾向というかポイントって無いんですか??』と・・・この方は最近、野鳥観察に目覚め、色々な野鳥を見たいが小鳥の観察は難しい。もっと狙い所を絞れないか?と思って質問されたようです。
 
 その後の私は『う~~ん』と考え込む。その間、『民家の周りにはスズメヤムクドリがいますよね?』なんて答えは質問の趣旨と違うよな?とか色々考えた末に・・・
 『今の時期は、広葉樹の葉が落ちて見通しが利くようになりましたから、小鳥たちにとっては危険が増した状況ですよね?そこで身体が小さい彼らは今も葉が茂っている針葉樹に集まる傾向があるようですよ。』と答えました。勿論何処にでも当てはまる傾向では無いかも知れませんが、森吉周辺では確かにその傾向があります。

 そんなやりとりがあった後、多少の不安があったので、針葉樹を注意して観察し、針葉樹の側では耳に意識を集中していました。ウソを言ってはいませんが、やはり多少の不安があったのですが・・・大丈夫でした。


 針葉樹のある場所での観察機会が多い【キクイタダキ】、日本産鳥類の中では最も小さいとされる種です。そんな彼らは身を守るために冬でも葉が落ちない針葉樹をよりどころとしているのでしょう!


 しかしこの【キクイタダキ】身体も小さく、動きも速い。そこに居るだろうと思っても、又は見つけたとしても観察は容易ではありません。ましてや撮影となると・・・


 他にもヒガラやエナガの姿を見ましたが、いずれも小鳥の中でも小型の野鳥達でした。どうやら今年も森吉では小さな野鳥達が針葉樹のあるエリアで身を寄せ合って、自分たちの身を守っているようです。 

 私的には質問の答え通りの観察が出来てほっと一安心です。