東北地域のアイコン

東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

タンチョウの近況

2009年10月22日
秋田
 秋と言えば・・「読書の秋」と言いたいところですが、実際には読まずに本棚に積まれた本だけが増えていきます。こんな予定ではなかったのになぁ・・では「芸術の秋」となるかと言えば・・そうもならないですね。
 


 さて、『秋田のタンチョウ』と呼ばれて久しい大潟周辺に生息している【タンチョウ】ですが、昨年に比べて大潟や周辺の環境にも随分と慣れたように感じられます。行動範囲も広がっていますし、農繁期の過ごし方も心得ていたようです。昨年は稲刈り前後には落ち着かない様子で物音に敏感に反応して、神経質になっているように見えましたが今年は落ち着いたものです・・・(笑)

 採餌場所については殆ど変わりなく、大潟村か水路の対岸である男鹿市若美地区の水田を利用します。そこでの振る舞いも・・・相変わらずです!


 自分の側で採餌していた【ダイサギ】を追い払いました。元はと言えば自分が【ダイサギ】の採餌場所へと近寄っていったのに・・・本当に”マイペース”です。


 しかし、毎回上手くいくわけではないところがこの【タンチョウ】の憎めない点です。この時は、【ダイサギ】を追い払いに成功したと思ったのでしょう・・着地しようとしたら直ぐ先に追い払ったはずの【ダイサギ】が着地しました。
 これには、思わず笑ってしまいました。【タンチョウ】もバツが悪かったのか?(そんはずもありませんが・・・笑)また直ぐに飛び上がってだいぶ離れた田んぼまで移動してしまいました。

 【タンチョウ】のような美しい見た目をしていながら、お茶目な一面が見えたり、ちょっとした失敗なんかも私的には”ツボ”ですな~。ますますはまってしまいます。


 さて、行動範囲が広がった【タンチョウ】ですが、最近はこのサッカー場がお気に入りの場所のようです。天気の悪い日には近くにある林で雨風を避けていたり、誰もいない広々とした(荒れた)グランドを独り占めしてのんびりと過ごす姿が観察されます。


 随分長い時間を”腹ばい”で過ごしていました。私が見つけた時には、首も下げて丸くなり、眠っているかのようでした。私に気付いた後も何度か様子を伺う素振りを見せますが、姿勢はこのまま。また暫くすると・・・草に埋もれて見えなくなっちゃいました。