アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]
登山道を守るバトンリレー
2009年08月28日
鹿角
環境省のアクティブレンジャーになって初めて知ることが多いのですが、その中でも特に「登山道」については、以前はいつ、誰が整備しているのかなんて全く考えることはありませんでした。歩き易い登山道があって当たり前、崩壊の激しい登山道は悪態をつきながら登っていたのが正直な話です。
八幡平から岩手山に伸びる「裏岩手縦走路」のちょうど中間点の大深岳から
西方に1本の登山道が分岐しており、曲崎山、大白森を経て乳頭山・秋田駒ヶ岳に至る長大な縦走路となっています。利用者がさほど多くない裏岩手でも特に静かなオオシラビソの森と高層湿原の点在するルートで一日中歩いていても人と行きあうことは滅多にありません。8月の末、仙北市観光課スタッフ、「八幡平を守る会・南八幡平支部」のメンバーら総勢8名で、登山道の状況調査と整備の為にこの山域に足を踏み入れました。
6年前に一度ササ刈りしたという歩道は、背丈より高いチシマザサが両側から被さって、一体どこを歩いていいのかわからない状況です。下をよく見て僅かな浸食跡で登山道と判断し、今回、持ち上げた草刈り機で周囲を切り開いていきます。
関東森の周辺では2年前の強風で倒れた数え切れないほどのアオモリトドマツの巨木が登山道を塞いでおり、一本一本チェーンソーで通行できるルートを確保していきました。通常、縦走するだけで食料・寝具を伴う重装備の上、器材と燃料・オイルを運びながらの調査・整備作業は今年の業務の中でも特にボリュームのあるもので、日暮れ直前にやっとの思いで宿泊予定の八瀬森の避難小屋にたどり着くことができました。
大深岳~八瀬森間の登山道はきれいに整備され、これからの利用者はきっと快適な尾根歩きを存分に楽しむことができると思います。(その先、曲崎山と大白森の間は9月に整備予定です)。
これまでの歴史の中でも登山道は誰かによって開かれ、誰かによって維持されてきました。その多くは言うまでもなく無名の地元の人々だったはずです。
私もこの営々と続くバトンリレーのほんの僅かな一瞬に触れられただけでも幸運だと感じました。
刈り払い開始地点。ここから延々と西方に縦走路が延びる。まだ背の低いノガリヤス類やミネヤナギで作業がはかどる。
刈り払い作業終了時の登山道。両側と同じ高さと密度のチシマザサが繁茂し作業前はルートがほとんど見通せなかった。
樹齢170年を越すアオモリトドマツが登山道を塞いでいる。強風で無理矢理引き倒され樹体全体に無理な圧力がかかており、作業は困難を極めた。
八幡平から岩手山に伸びる「裏岩手縦走路」のちょうど中間点の大深岳から
西方に1本の登山道が分岐しており、曲崎山、大白森を経て乳頭山・秋田駒ヶ岳に至る長大な縦走路となっています。利用者がさほど多くない裏岩手でも特に静かなオオシラビソの森と高層湿原の点在するルートで一日中歩いていても人と行きあうことは滅多にありません。8月の末、仙北市観光課スタッフ、「八幡平を守る会・南八幡平支部」のメンバーら総勢8名で、登山道の状況調査と整備の為にこの山域に足を踏み入れました。
6年前に一度ササ刈りしたという歩道は、背丈より高いチシマザサが両側から被さって、一体どこを歩いていいのかわからない状況です。下をよく見て僅かな浸食跡で登山道と判断し、今回、持ち上げた草刈り機で周囲を切り開いていきます。
関東森の周辺では2年前の強風で倒れた数え切れないほどのアオモリトドマツの巨木が登山道を塞いでおり、一本一本チェーンソーで通行できるルートを確保していきました。通常、縦走するだけで食料・寝具を伴う重装備の上、器材と燃料・オイルを運びながらの調査・整備作業は今年の業務の中でも特にボリュームのあるもので、日暮れ直前にやっとの思いで宿泊予定の八瀬森の避難小屋にたどり着くことができました。
大深岳~八瀬森間の登山道はきれいに整備され、これからの利用者はきっと快適な尾根歩きを存分に楽しむことができると思います。(その先、曲崎山と大白森の間は9月に整備予定です)。
これまでの歴史の中でも登山道は誰かによって開かれ、誰かによって維持されてきました。その多くは言うまでもなく無名の地元の人々だったはずです。
私もこの営々と続くバトンリレーのほんの僅かな一瞬に触れられただけでも幸運だと感じました。
刈り払い開始地点。ここから延々と西方に縦走路が延びる。まだ背の低いノガリヤス類やミネヤナギで作業がはかどる。
刈り払い作業終了時の登山道。両側と同じ高さと密度のチシマザサが繁茂し作業前はルートがほとんど見通せなかった。
樹齢170年を越すアオモリトドマツが登山道を塞いでいる。強風で無理矢理引き倒され樹体全体に無理な圧力がかかており、作業は困難を極めた。