ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

東北地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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2009年7月

40件の記事があります。

2009年07月16日バンは逞しかった!

秋田 足利 直哉

 皆さんがお住まいの地域でもそうでしょうけど、秋田では高校野球の県予選の真ただ中です。今朝の秋田駅前は自分の学校の応援に向かう高校生達であふれかえっていました。事務所の側にも球場があってアナウンスや応援が聞こえてきます。「熱い夏」ですね~


 さて、昨日のオオバンに引き続き、今日は西部承水路での汚れた水域で巣作りしていた【バン】の続報です。

 いや~【バン】は逞しいですね!!!!!ホントびっくりです。な、なんと雛が3羽も孵っていました。



 実際の巣の場所とは違う場所に姿を見せていた【バン】の親子。(巣は写真右奥にあるはず・・・)ヘドロに塗れて巣を作り、恐らく同様に餌も何度も何度も運んだんでしょうね~。



 ちょっと引いて(実際は上の写真をトリミングしてるんですけど・・)見てみると直ぐ側には投げ捨てられたペットボトルが見えます。この写真だけ見ると『こんな場所で良かったのか?』と言いたくなりますが、(想像も込みで・・)この辺りに巣を作らざるを得なかった理由を知っているだけに『よく頑張った!!』と声を掛けてやりたくなりました。



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2009年07月15日十和田湖湖畔清掃

十和田八幡平国立公園 十和田 種村 由貴

朝8時。
十和田湖総合案内所集合。

そこには帽子と軍手と火ばさみ(デレキと言うらしい)を装備した地域の方々が32名!
私たち十和田ARも含めて34名が十和田湖休屋地区会と社団法人十和田湖国立公園協会主催の十和田湖湖畔清掃に参加しました。

湖畔沿いはゴミが目立つというわけではありません。なので湖畔清掃の必要性が薄く思われるかもしれません。
しかし、十和田湖を美しいまま守っていきたいと思う地域の方々が沢山集まり、「十和田湖をきれいにしよう」という普及啓発も込めて丹念にゴミ拾いをしていました。

約1時間後。集められたゴミはやはり大した量ではなく、日頃地域の方が目を配っている効果なのかなと嬉しく思いました。しかしゴミがあることもまた事実。タバコの吸い殻、包装用プラスチック、ガラス、空き缶、うちわの骨までありました。

こういったゴミが全てなくなってくれればいいのですが、それには地域の方達と協力し合って継続していくことが大事なんだと感じさせられました。

今回の湖畔清掃では、この土地に対する地域の方達の愛情と情熱が如何ほどかを存分に知ることができました。
これからも、地域の方々と一緒に国立公園を快適に利用していただけるよう頑張りたいと思います。

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2009年07月15日とんぼのめがね

仙台 鎌田 和子

仙台市勾当台公園で3日前、ヒグラシの声を聞きました。梅雨明け間近でしょうか。
伊豆沼では、ニイニゼミのほかに暑苦しい声でアブラゼミも鳴きはじめています。

8月には「はすまつり」が開催されるし、お盆には欠かせないハスもそれに合わせるかのように急成長しているように感じます。巡視の際、必ず時間をかけて観察するポイントが数か所あります。そこでの出会いをちょっとだけお知らせします。


オオバンの親子です。いつもだと警戒の声が聞こえてくるのですが優しい声がするので、えっ!とその方向を見たら、雛を見せてくれました。子育て中の警戒を解いて特別公開だったのでしょうか。ありがとう。元気に育ってねと思わず声をかけてしまいました。


先日は、オオセスジイトトンボのメスを紹介しましたが、写真はオスです。童謡「とんぼのめがね」の1番の歌詞覚えていますか?
「とんぼのめがねは みずいろめがね あおいおそらをとんだから とんだから」ほんと凄い、みずいろめがねです。しかも6月に見たときより体の色もさらに美しく濃くなっていました。
そう、トンボは羽化したときからどんどん色が変化していく種類が多いのです。みんなの知っている赤とんぼの仲間ももう出現して赤くなる日を待っているのです。

アオヤンマですが、これはまだ羽化したてなのか、アオヤンマらしい美しさにはなっていませんが、翅が少し黄色味がかっているのが特徴です。
オオセスジイトトンボ(環境省絶滅危惧Ⅰ類)、アオヤンマこれらは宮城県レッドリストの絶滅危惧Ⅱ類になっています。
絶滅危惧種であろうがなかろうが、伊豆沼が居心地いいよと言っているように見えました。

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2009年07月15日オオバンの縄張りに

秋田 足利 直哉

 蒸し暑い毎日が続きます。太陽は顔を出していないけど、湿度が高くて不快な感じ・・・参っちゃいますね。周囲からは早くも「夏バテ」なんて声も聞かれます・・


 さて、この日記でお伝えしている、大潟の西部承水路で繁殖している【バン】と【オオバン】の様子を見に行ってきました。
 先ずは順調に子育て中の【オオバン】親子が過ごしている水辺へ行ったのですが・・・親子の姿が見えません。水面をよーーく見ると・・



 無数の水紋が現れては消え、消えては又現れを繰り返しています。この水辺でこれほど多くの水紋を作るのは・・・



 【マゴイ】です。大きな個体から小さな個体まで、水面近くまで上がってきてパクパクと口を出していました。足下に【マゴイ】の大群が居たので【オオバン】親子も居心地が悪かったのかも知れません・・・双眼鏡で確認するとちょっと離れた場所で過ごす親子を確認することが出来ました。
 確かにこの【マゴイ】の大群が自分の足下に居ることを想像すると私も避難することでしょう・・・(笑)



 【オオバン】の雛は随分と大きく成長していて、羽も殆ど揃っていて、前回お知らせしたときに比べると別人(別鳥?)のようです。
 しかし独り立ちまでには、まだしばらくの時間を要しますからこれから先も無事に過ごして欲しいと願っています。



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2009年07月14日【参加者募集中!!】白神山地『マタギの知恵キャンプ』

白神山地 檜垣 育子

みなさんこんにちは。
もう少しすると夏休みシーズンですね。
みなさんは、どんな夏休みを予定されていますか?
今回は、白神山地より夏のイベントの参加者募集のお知らせです!!

白神山地世界遺産センター西目屋館では、
白神山地を流れる岩木川と人の暮らしを知っていただくため、
子どもたちを対象とした自然体験キャンプを行います。 

7月26日(日)~28日(火)2泊3日で、世界遺産白神山地に息づくマタギの文化を伝承する工藤光治さんにご指導いただき「マタギの知恵キャンプ」を開催します。
白神のよさを知っていただけるとても興味深い内容となっています。
ぜひお友達・ご家族を誘ってご参加ください!!

★お問い合わせ・お申込みはコチラ★
岩木山自然学校 TEL・FAX:0172-83-2670
        
くわしくは、、東北地方環境事務所HPをご覧ください。



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2009年07月14日【実施報告】 自然観察会『ヒバクラ湿原のお花畑』

秋田 足利 直哉

 昨日の日記で、観察会の報告に先んじて山上湿原のニッコウキスゲの話をしましたので前後しますが、今日は観察会のご報告を!

 森吉山野生鳥獣センター運営協議会主催の観察会は地域的な特色を踏まえて渓谷沿いの歩道や渓谷そのものを歩きながら行う自然観察会が多いのですが、今月は珍しく登山をしながらの観察会を行いました。
 募集に際して各新聞や北秋田市のHPや広報誌など各機関にご協力していただいたところ、多くの方々にお問い合わせ・ご応募いただき、当日は34名の方々にご参加いただいて実施しました。




 いつものように10名ほどの班に分かれて各班の講師が随所で解説をしながら、余裕を持ったペースで登っていきました(一人何度注意しても徐々にペースの上がってしまう人もいましたが・・・)。



 このコースはブナ帯~ネズコ(クロベ)&杉帯~モロビ(オオシラビソ)帯と植生の垂直分布が明瞭で歩いていると、自分が今、どれくらい歩いてきたのか把握することが出来ます。
 モロビの香りがしてくるころから、コースの傾斜がきつくなります。これからの頑張りどころに備えて、自然解説しながら一服します。森吉山一帯にはモロビにまつわる古くからの習慣があって、講師達は自分の体験を交えて話をしていました。参加者のアンケートを見ると、この時した話が好評だったようです(詳しくはいずれ機会を見てご紹介しようと思います)。



 そして、急坂に備えるならやはり冷たい湧き水が一番でしょう!!湧水の豊富な森吉山界隈にあって、知名度では1,2を争う名水です。ここで喉を潤しもう一頑張りして、山上湿原のニッコウキスゲに迎えられたのでした。


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2009年07月14日風に吹かれて

十和田八幡平国立公園 十和田 種村 由貴

私の朝の出勤は、自転車ですい~っと5分ほどです。
ある風の強い日。その日も毎度のように自転車で出勤しました。
何せ5分で着くので、風が強かろうが雨が降ろうが、土砂降りでなければ大した影響を受けないからです。

さて、その短い通勤途中。
左側にいたハクセキレイが、目の前を横切るように飛び立ちました。が、風に押されて元いた位置よりも奥に・・・。
そのハクセキレイは嘴になにやら咥えていて、巣の材料なのか、幼鳥のご飯なのか。定かではありませんが、何とも悲しそうな目で行きたかった方向を見つめていました。
特に体の軽い小鳥たちは、こんな風の強い日には、いつもなら一っ飛びの所を苦労するなぁと不憫に思いましたので「がんばれ!」とつい声をかけてから、心の中で、歩いて行けば?とも思ったり。
なんたってハクセキレイは歩くの速いですからね。

こんな動植物との一コマ劇場が多いのも、国立公園という豊かな自然環境のおかげなのだと、こんな些細なことで実感してしまう今日この頃です。
だから、この自然が壊されないようにもっと沢山の人に自然の大切さを伝えて、些細なことでも自然の営みと繋がっていることを感じてもらえるように頑張らねば。
と風に煽られながら思いましたとさ。

ささやかな通勤風景の一コマより。

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2009年07月14日蔦ビジターセンター業務

十和田八幡平国立公園 十和田 村田 野人

 先週金曜日の十和田湖は大荒れで、所々で倒木が発生し一時通行止めとなった道路もあったようですが、管理している方々のご尽力によりあっという間に復旧したので、予定どおり蔦ビジターセンター業務へ出かけました。
 蔦ビジターセンター業務とは、アクティブレンジャーが6月から10月の第2第4金曜日に普段は無人である蔦ビジターセンターに勤務し、センターでの窓口案内、フィールドの案内、展示物の整理・更新や利用者の皆様への自然情報の提供、利用指導を行う仕事です。それから、この仕事には、蔦ビジターセンターの背後に広がる蔦野鳥の森散策路の巡視も含まれます。
 この日は大荒れの後なので、蔦野鳥の森散策路の巡視を中心に仕事を行いました。一周した結果、歩道を塞ぐような大きな落枝はなく、東屋や標識などの施設も壊れていませんでした。設置したばかりで、風で倒れていないか心配だった入山者カウンタも無事でした。装置が正常に作動している事を確認した後、入山者カウンタには、念のため補助用の支柱を新しくつけました。
 ここは自然地域ですので、倒木や落石がいつ起こるかわかりません。利用者の方々に安全に散策していただけるよう。これからもきめ細かな巡視や必要な情報提供を続けていこうと思います。

「キノコ」巡視中に見つけたきれいなキノコの写真をお届けします。この日はとにかく風が強くて、私の得意分野の鳥たちの声もあまり聞かれませんでした。

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2009年07月13日当たり年

秋田 足利 直哉

 週末、とある写真展に行ってきました。プロの写真家の写真展とはこれほどに迫力がありストーリーがあるものか・・・と衝撃を受けてきました。私も見る目を養えば”自然”とはかくもダイナミックでドラマティックに見えるものなのかしら??


 昨日の日曜日、観察会で森吉山の外輪山の一つ「ヒバクラ岳」に行ってきました。そこで講師を勤めていた地元ガイドと長年この地域を歩いている鳥獣保護区の管理員さんが口を揃えて『ここ数年こんなにいっぱいのニッコウキスゲは見たことがない』と言ってました。

 なので先ずは観察会の報告に先んじて今が見頃となっている「ヒバクラ湿原」の【ニッコウキスゲ】をご紹介しようと思います。



 花の百名山「森吉山」の外輪山である「ヒバクラ岳」にも「ヒバクラ湿原」と呼ばれる山上湿原があってハイカー達の人気を集めています。その湿原が近年稀に見るニッコウキスゲの当たり年となっています。



 森吉山へ向かいながら木道を行けば、両脇にニッコウキスゲの群落が広がります。ガイド達が『今日は来て良かった』と顔がほころぶほど・・・



 観察会に参加した女の子ももちろん、とびっきりの笑顔です!!それにしても可愛い女の子とお花畑って絵になりますね~(^^)v


 私の感触では今週いっぱいはニッコウキスゲ咲く綺麗なお花畑が見られることと思います。これを見逃すと次のチャンスはいつになるか解りませんよ~!!




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2009年07月13日蒲生干潟のいきもの

仙台 鎌田 和子

蒲生干潟のいきものは前回は6月17日に紹介いたしましたがその後をお知らせいたします。

蒲生干潟を取り巻く環境をまずはお話ししておきますね。
干潟と砂浜を見下ろすことができる小高い山「日和山」は干潟に集まるシギ、サギ類を観察するには恰好な場所、しかも地元の人たちが天気の良い時にはベンチでくつろいでいますので、いろいろな情報がいただけます。

砂浜には海浜植物が生育し、その中ではヒバリが春には繁殖しています。かつては砂浜でコアジサシの繁殖も確認されていました。残念ですが現在は確認されていません。そして波打ち際は釣りやサーフィンを楽しむ人々がいます。

干潟の周りのヨシ原には初夏から夏オオヨシキリが賑やかに囀っています。このヨシはオールシーズン、水鳥たちの生活の目隠し(スクリーン)の役割を果たしています。

干潟では、季節によっては潮干狩りを楽しむ人も見られます。ちょっと心配なのは人が干潟に入っていると、シギ、サギ類は餌採りに入りたくても遠慮しているかもしれません。

松林と竹林も少しあります。アオジやカワラヒワ、オナガも観察できます。そこはサギの休み場でもあります。その林の足元ではびっくりなのが前回よりも増えていたカニたちです。

クロベンケイガニです。林の中ではワサワサというかウジャウジャというかとにかくいっぱいいて踏んでしまうのではないかと思うくらいです。そのカニの餌はなんだろうか?疑問です。当然、ヨシ原と泥の部分もカニで埋め尽くされています。春にはこんなにカニと出会えるとは・・・・・思ってもみませんでした。


テリハノイバラは前にも紹介しましたが砂浜のハマナス群落の花の終盤から入れ替わりに満開になりました。林の中では6月中旬から咲いていましたから次々と咲き花期が長い花のようです。


ちょっと湿った草地では、イヌゴマが見られます。よく見ると茎には下向きの刺があり不用意に触ると痛い思いをするかもしれません。

この夏場が蒲生干潟の一番鳥の少ないシーズンのようですが、それを補うかのように別のいきものが私たちを迎えてくれています。しかもいろんな環境、顔を見せてくれます。

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