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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

○ンネンスギの森

2009年06月24日
秋田
 日々の生活、色々とストレスの溜まることが多いですよね?皆さんはどのようにしてストレスを解消していますか?私のストレス解消法は山歩き!アクティブレンジャーは仕事で山歩きをする事も多いのですが、最近はプライベートも含めて、山で過ごす時間が異常に長くなってます(苦笑)。



 この梅雨の時期、森吉山周辺でオススメのコースは今日紹介する「高場森」です。
 今は梅雨時ですから雨の日が多くなりますよね?だからせっかく予定していたハイキングも雨で中止・・なんて事もあろうかと思います。そんな時「高場森」に行ってみて下さい。途中のブナ林は日差しも和らげる効果もありますが、雨を凌ぐ効果もあります。でも雨を凌ぐ効果ならば高場森の天然杉の森は更に一段上の効果を発揮すると私は思います。


 この写真は隣のピークから高場森方向を写した物です。この周辺で樹冠を形成するブナやミズナラよりも頭一つ抜きん出て見えるのが天然杉です。
 

 高場森の標高は900mですから、杉の生育に適した環境とは言えません。積雪も多く、標高も高い厳しい環境に自生するここの天然杉は『桃洞・佐渡の杉原生林』として国の天然記念物に指定されています。

 ここの杉は枝の張り出しも密で、木と木の間隔も密なので、少々の雨ではなかなか雨粒が地面まで達しません!先日の巡視の際も雨に降られたのですが、天然杉の根元では雨具が不要なくらいでしたし、実際カメラ(防水仕様ではない)を出して安心して足下の花などを撮影することが出来ましたよ。

 さて、タイトルの「○ンネンスギ」の「○」には「テ」が入るのは既にお分かりかと思いますが、高場森ではもう一つ「マ」も入るんです。


 一見、杉の稚樹のようにも見えますが、これは「マンネンスギ」というヒゲノカズラ科のシダ植物です。分布は北海道・本州・四国・九州に広がっているそうですが、私が知る限り森吉山麓高原エリアで見られるのはここだけです。


 頭上の「天然杉」に足下の「マンネンスギ」。 週末の山行計画の参考にしていただければ幸いです。