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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

今年も生まれました

2009年06月16日
秋田
 この日記でお伝えしていたトビが既に巣立っていました・・・ハシボソガラスに続いてまたもや直前の様子を見逃してしまいました・・くぅ~(涙)。しかし、それでも懲りずに今日も「繁殖ネタ」です。



 今年も西部承水路で【カンムリカイツブリ】の雛の姿を観察することが出来ました。ほぼ昨年までの例と同じスケジュールで順調に子育てが進んでいるようです。

 この時期は特に警戒心も強く、岸から遠いところで過ごすことが多いので写真も撮影しにくく、解りづらいものになっていますが、親鳥の後方に小さな雛が2羽いるのがお分かりになりますでしょうか?親鳥の翼も不自然な体勢になっていますから雛の数は3羽でしょうか?
 雛たちは自分で行動してみたいという好奇心もあるようですが、まだまだ外界に対する恐怖心も持ち合わせているようで、殆どを親鳥の背中で過ごしていました。たまに自分で泳いだとしてもこの写真のように、ピタッと寄り添っていました。



 この時期は親鳥の片方(多分メス♀)は水中に潜らず、育雛に専念していますので、餌を採ってくるのは専らもう片方(多分オス♂)の仕事です。3羽の雛に加えて自分の奥さんの餌を採ってこなくてはならないのです!!もちろん自分の分も・・・ 
 なので、↓の写真のように餌を採ってはまた直ぐに水中へと潜っていく様子が頻繁に観察されます。恐らく大変な重労働であろうと思われますが、それだけこの承水路には餌が豊富だということでしょうか?餌はきっと・・・



 現在、最も懸念されるのは釣り人によるプレッシャーで子育てが阻害されること。今日も承水路には全国各地からバス釣り客がやって来ていました。
 その中の1組がちょうど【カンムリカイツブリ】が採餌して雛に与えていた場所で釣りを始めようとしていたので、事情を説明したところ・・『そうなんですか?それなら別のポイントに行きます。』と快く移動してくれました。
 承水路では西部も東部もほぼ全域で【カンムリカイツブリ】が見られ、何組かは現在このように子育ての真っ最中です。また釣りのポイントは野鳥たちが生息している場所と重なります(バス釣りガイドブックのような物を見るとビックリします!!)。釣りを始める際には、水量・濁り具合など色んな条件を確認してから始められると思います。その条件の中に『野鳥たちの生活』も是非入れて下さい。


 その後も【カンムリカイツブリ】の親鳥(多分オス♂)は何度も何度も潜っては餌を採って雛たちに、時にはもう片方の親鳥(多分メス♀)に与えていました。『頑張れ~おとうちゃん!!』